作品の中の人物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/04 01:08 UTC 版)
初出は『ペルスヴァル』の『第一続篇』(1200年頃)で、そこではアーサーの軍が「傲れる城」(仮訳)(Castel Orguellous)を攻撃するとき、一番手となってジョスト(槍試合)に出場した。 流布本系(ランスロ=聖杯サイクル)や、マロリー作品においては、モードレッド卿が引き起こした謀反の最終決戦であるソールズベリー(他の文献ではカムランの戦いとされる戦い)を生き残ったわずかの家臣の一人である。ただし、二つの作品では、設定が次のように異なる。 流布本系『アルテュス王の死』(1230年頃)では、ソールズベリー平原での戦い後、ルーカンは従兄弟のジルフレ(グリフレット卿)と共に、負傷した王を「黒き寺院」(Noire chapel)まで担いだとされている。そして悲しみに呉れたアーサーは、ルーカンを強く抱擁しすぎるあまり圧殺してしまう。王剣エクスカリバーを湖に捨てるよう命じられるたのは、この作品では従兄弟のジルフレである。続流布本系(Post-Vulgate)では、負傷した彼らの行き場所は「古き寺院」という。 トーマス・マロリー『アーサーの死』(1470年)では、ルーカン卿はベディヴィア卿の兄弟(兄)に設定されている。そして、ソールズベリーの「丘陵」での決戦後、アーサーを抱えていくのはルーカンとベディヴィア卿の二人に置換わっている。そして王を寺院から移動するため持ち上げようとした際、ルーカンは腹の傷が破れて内臓が飛び出し、死亡する。そのあと最後に残った家臣が、弟のベディヴィアであり、エクスカリバーを湖に捨てよと仰せつかる。 マロリーの作品では、初期は騎士としての活躍もあったが、それでも、ごくたまに槍試合において名前だけ登場するが、これといった活躍はしない。
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