体積と物質量
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/28 22:13 UTC 版)
気体(ガス)や液体の量を表すときは、体積が用いられることが多い。物質 X の密度を ρ とすると、体積 V と質量 m の間には次の関係がある。 V = m ρ {\displaystyle V={\frac {m}{\rho }}} 物質の密度は、物質の種類により異なるだけでなく、温度や圧力によっても変わる。また物質の三態(相)によっても違う。例えば 0 ℃ の氷の密度は同じ温度の水の密度より 8% 小さく、100 ℃、1 気圧の水蒸気の密度は同温同圧の水の密度の 1/1600 である。したがって、体積で物質の量を表すときには、温度と圧力(と必要であれば相)を指定しなければならない。さもないと、物質の量を表す他の物理量(粒子数、物質量、質量)との関係が曖昧になる。ただし液体の場合は、液体の圧縮率が小さいので、通常の目的には温度の指定だけで十分なことが多い。 気体の圧縮率は、液体の圧縮率と比べてずっと大きい。そのため、気体の量を表す物理量として体積を用いる際には、圧力と温度の両方を指定しなければならない。気体が理想気体とみなせる場合は、気体の体積 V と物質量 n の間に次の関係がある。 V = n R T p {\displaystyle V={\frac {nRT}{p}}} ここで、T は熱力学温度、p は圧力、R は気体の種類によらない気体定数である。気体を理想気体とみなせる限りにおいては、気体の体積 V と物質量 n の間の関係式は気体の種類にはよらない。標準状態で 1 mol の理想気体が占める体積を表に示す。 1 mol の理想気体の体積0 ℃ 273.15 K 101325 Pa 22.41 L 0 ℃ 273.15 K 100000 Pa 22.71 L 25 ℃ 298.15 K 101325 Pa 24.47 L 25 ℃ 298.15 K 100000 Pa 24.79 L 表中の 101325 Pa は 1 気圧に等しく、100000 Pa は 1 バールに等しい。
※この「体積と物質量」の解説は、「物質量」の解説の一部です。
「体積と物質量」を含む「物質量」の記事については、「物質量」の概要を参照ください。
- 体積と物質量のページへのリンク