低高度での使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/16 03:50 UTC 版)
「ロケットエンジンノズル」の記事における「低高度での使用」の解説
大気圏内で使用するロケットエンジンのノズルの最適なサイズは排出圧力が高度と共に下がる外部の気圧と等しくなる大きさである。ロケットが地球から軌道へ飛行する時に単純な設計のノズルでは、一定の高度、即ちある適当な外部圧力に対して効率が最大となるので、ほとんどの行程ではノズル効率は低くなる。 もし、ノズルから離脱する噴流の圧力が大気圧よりも高い場合は'不足膨張'と呼ばれ、もし大気圧よりも低い場合は'過膨張'である。 不足膨張の場合効率が下がるが、それ以外はほとんど影響が無い。一方、過膨張として設計された場合、噴流の圧力が大気圧の約40%となる条件で'流れの剥離'が発生する。この場合、噴流が不安定になりノズルに損害を与え機体やエンジンの制御が困難になる。信頼性や安全性の理由によりロケットエンジンは地上で点火され軌道まで使用されることが望まれる。多くの事例では適切な圧力は大気圧であるが、打ち上げ時の推力の殆どを固体ブースターによって確保する場合、メインエンジンには過膨張ノズルが採用される。これはH-IIAやスペースシャトルのメインエンジンで用いられ、これらの水素エンジンは専らブースターが切り離される高度以上の大気圧で最適となるよう設計される。
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