伝統的なお辞儀の仕方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 16:07 UTC 版)
日本のお辞儀には、座った姿勢で行う「座礼(ざれい)」と、立ったまま行う「立礼(りゅうれい)」の二通りがある。 武家のお辞儀は、鎌倉時代の武家政権樹立以来、洗練され培われてきた。武家の礼法には「左進右退」(座礼の途中でもいつでも刀を抜けるように、左手・右手の順で畳に手をつく)、あるいは「下進上退」など、和服で髷を結って帯刀している前提なので、現代のマナーにはそぐわないものも多く、近代化に従って簡略化されていったものも多いが、武道の流派にはこのような礼を現在も残しているものがある。 武家の礼法の系統としては、室町時代に生まれた今川流・伊勢流・小笠原流のほか、江戸時代に生まれた武田流(細川幽斎が武田吸松斎から教えを受けて起こした流派なので、細川流ともいう)や吉良流(忠臣蔵で有名な吉良義央の父、吉良義冬が起こした流派)などが知られているが、現代においては小笠原流が最も普及している。 茶道のお辞儀は戦国時代の千利休から発展したもので、基本的に座ってする「座礼」である。現代では流派ごとに細かい所作が違っているが、武家の礼法に比べて茶道の立ち居振る舞いは丸みを帯び、所作も細やかである。現代では、武家の礼法の「座礼」よりも茶道の「座礼」のほうが、習い事や学校の部活を通じて広く知られている。 近代以降に古武術から武道に発展する形で生まれた、武道の流派のお辞儀としては、大きな声で「押忍」と言う空手のお辞儀が有名だが、この「押忍」は明治時代に大日本武徳会の武道専門学校で生まれたらしい。
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