会社との法律関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 02:07 UTC 版)
会社との契約関係は、従業員が会社とは雇用契約を締結するのに対して、役員は会社とは委任・準委任契約としての性質を持つ任用契約を締結する。 役員は、一般的には、労働基準法上の労働者には該当しない。同法第9条の「使用される」とは、会社や上司の指揮監督の下での労働のことをいうのに対して(出典)、以下に挙げるように、役員の業務は、いずれも上司の指揮監督の下の労働にはあたらないためである。 取締役は、業務を執行する(会社法第348条、第363条) 取締役会設置会社の取締役は、取締役会の構成員として取締役の職務の執行を監督する(会社法第362条) 監査役は、取締役の職務の執行を監査する(会社法第381条) そのため、役員は、労災保険の適用を受けず、雇用保険の被保険者ともならない。 ただし、取締役であっても、業務執行権や代表権を持たない者が、工場長、部長等の地位を兼ねて、(社長等の)指揮命令の下に労働に従事し、労働の対価として賃金の支払を受ける場合、その限りにおいては、労働基準法上の労働者となる(昭23.3.17基発第461号)。このような場合、工場長、部長等の地位においては、労災保険の適用を受ける。 また、使用者たる地位における賃金の額が役員たる地位における報酬の額を上回り、就業規則等の適用が一般の労働者と同様に適用されている者については、雇用保険の被保険者となる(出典)。 法人税法においては、法人税法上の役員(みなし役員を含む。使用人兼務役員になれない役員は兼務役員から外される)の場合は、定められた固定給等(定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与、退職給与、兼務役員の使用人分給与)以外の役員報酬は損金不算入という規定がある(法人税法34条)。
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