休芽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 08:37 UTC 版)
この類は乾燥や寒冷などの悪条件を休芽(きゅうが statoblast)の形で耐える。この構造はこの仲間に独自のものである。また、種ごとにその形態に違いが大きく、形質としても安定しているため、種の分類などに重視されている。このため、春に浮遊する休芽を集めると、その水域で昨年に生息していたこの類の種組成が分かるとも言う。 休芽は、円形から楕円形等の形の偏平なもので、裏表二枚のキチン質の殻があり、その内部に卵黄のような栄養物と新個体を形成する細胞群が含まれる。一旦は休眠に入るため、乾燥や低温などを経験した後に好適な条件になると、その内部に個虫が形成され、二枚の殻を開くように顔を出し、あらたな群体の元となる。 休芽には浮遊性のものと付着性のものがあり、浮遊性のものでは殻の周辺に空気を含んだ小室が並んでおり、これを浮輪と呼んでいる。付着性のものでは浮輪がなく、それに当たる部分が縁膜を構成し、それによって他物に付着する。中には縁に鉤状の突起を並べるものもあり、付着に役立つと思われる。なお、フレデリケラは付着性、ヒメテンコケムシは浮遊性のもののみを作るが、ハネコケムシ類は二種の休芽を作る。休芽は個虫の体内、胃緒の腹膜から形成されるが、浮遊性のものはその中程で、付着性のものは、それが体壁につく辺りで形成される。 この休芽は水鳥の足などにも付着し、遠くに運ばれることもあるらしい。そのためこの類には広い分布域をもつものが見られる。 これ以外のコケムシ類では一部に冬芽(hibernacula)を形成するものがある。これはやはり耐久性の休眠芽のようなものであるが、その発生も構造も休芽とは異なっている。冬芽は個虫の外側側面に生じ、楕円形をしている。これは一種の個虫の変形によるものと考えられる。
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