休薬とその有効性の疑念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/02 14:20 UTC 版)
「ビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死」の記事における「休薬とその有効性の疑念」の解説
2008年には確実に予防する方法は無いとする報告がなされたが、その後の症例の蓄積により歯科領域の侵襲的治療前の休薬によって予防できるとされた。ビスフォスフォネートの投与期間が3年未満の症例では休薬の必要がないとされる。また骨形成不全症の小児科患者には本疾患は発生しないので休薬は必要とされない。投与期間が3年を超えた場合は、処置後の傷が口腔粘膜に被覆されるまでの2-3週間程度の休薬か、完全に骨損傷が修復される3か月程度の休薬が必要とされるというものである。 しかし、それらの報告は症例数が少ない論文で信憑性が低く、またその後これらの休薬によっても顎骨壊死は減少しないという報告もあり、ビスフォスフォネートの休薬の効果については疑問視されている。むしろ骨粗鬆症治療が中断されることによる骨折リスクの上昇のほうが深刻であり、リスクベネフィットの観点より、稀にしか発生しないビスホスホネート系薬剤関連顎骨壊死(ビスホスホネート系薬剤を投与されている患者の0.01%-0.001%)より、遥かに高い頻度で発生する骨粗鬆症関連骨折の方を重要視すべきであるとされている。2016年のポジションペーパーでは、骨折リスクの高い患者や癌患者では、ビスフォスフォネートを休薬せずに歯科治療を行うべきであるとされている。
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