ブッデンブロッキア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/31 02:25 UTC 版)
ブッデンブロッキア Buddenbrockia plumatellae O. Schröder, 1910は淡水産コケムシの体内にみられる寄生虫である。ベルギー、ドイツ、トルコ、ブラジル、ブルガリア、日本およびイギリスで発見されている。うち日本からは1972年に織田秀美により利根川(古利根)産のヒメテンコケムシ Lophopodella carteri (Hyatt, 1866)からB. plumatellae が報告されている。現在は刺胞動物門ミクソゾア綱に置かれる。 1850年デュモルティエとPierre-Joseph van Benedenによって淡水産コケムシ Plumatera fungosaの体腔中から報告されていたが、十分に記載されることはなかった。それから半世紀後の1904年にOlaw Schröderがドイツで採集し固定していた淡水産コケムシ2種 Plumatera repensおよびP. fungosaをvon Buddenbrockが休芽の研究のためにと譲り受けたところ、偶然von Buddenbrockはそのコケムシの体内に寄生虫を発見した。Schröderはその寄生虫に興味を抱き、一度von Buddenbrockに提供したコケムシの中から寄生虫の感染している群体を譲り受け詳細に調べ、1910年、中生動物の1種として記載するに至った。当時淡水産の中生動物として注目されたという。しかし1912年、Schröderはブッデンプロッキアの体に4列の縦走筋がみられることを発見し、中生動物ではなくセンチュウが寄生生活のために極度に退化したものと考えた。その後、ブッデンプロッキアと吸虫類との問に生殖腺の位置や初期発生のプロセスに類似点が見い出され、吸虫類との類縁が指摘された。2002年、Schröderが記載した幼生はミクソゾアに見られる極嚢胞子であることがOkamuraらにより明らかになり、ミクソゾアとの関連が示唆された。同年Monteiroらにより18SrRNAの塩基配列の比較からもこの動物はミクソゾアの一種であることが示された。また、近年ではミクソゾアは刺胞動物に内包され、2007年には系統分析でブッデンブロッキアは刺胞動物であるという結果が出ている。 0.1 mmほどの寄生虫で、4列の縦走筋をもつ。
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