仲裁廷の構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/20 10:23 UTC 版)
「投資家対国家の紛争解決」の記事における「仲裁廷の構成」の解説
ICSIDでは、仲裁廷は当事者の合意により1人または奇数の仲裁人で構成される。当事者が仲裁人の選定方法等に合意しない場合、各当事者によって任命された各1人の仲裁人と当事者の合意によって任命した仲裁廷長の3名で構成される。当事者が仲裁人を選定しない場合は候補者名簿からICSIDの議長が当事者の国籍以外の仲裁人を選ぶ。当事者の合意により任命された場合を除き、仲裁人の過半数は当事者の国籍以外の者でなければならない。当事者の合意により任命する場合は、仲裁人は候補者名簿以外から選んでも良い。ラナルドは、当事者によって選ばれた仲裁人が「仲裁人」であると同時に当事者の代理人としての側面を持っているとして、訴訟における裁判官のような独立性は望めず公衆衛生問題等に配慮した判断は期待できないとしている。これに対して清水は、中立性条項(UNCITRAL仲裁規則6条4項)、国籍条項(ICSID条約3条、同仲裁規則1条3項、UNCITRAL仲裁規則6条4項、7条3項)、忌避手続(ICSID条約57条,58条,同仲裁規則9条、UNCITRAL仲裁規則10条-12条)等の中立性保証のための様々な手続きが設けられており、仲裁人は中立の義務があり、当事者に十分な機会を与えなくてはならないとしている。また、ICSID条約51条では仲裁人の涜職(corruption)があった場合の再審を認めている。
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