代替手段:潜水渡渉方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/20 17:55 UTC 版)
シャーマン戦車の潜水渡渉装置は1944年、太平洋戦争のテニアンにて投入された。 潜水渡渉方式はDD方式同様、上陸用舟艇が海岸から離れた海上から戦車を発進させることを可能とする装備であったが、こちらは浮航するのではなく海底の水中を走行した。1942年にはディエップの戦いに潜水渡渉型のチャーチル歩兵戦車が投入された ほか、ノルマンディー上陸作戦にも潜水渡渉型戦車が投入されていた。連合軍戦車は車体と吸排気口を防水仕様にされ、浅瀬からの上陸を可能にしていた。エンジンデッキから砲塔の上部まで、常に水面より上に出るよう高さのある延長ダクトが伸ばされ、前方のダクトはエンジンの吸気用、後方のダクトは排気用に割り当てられた。この装備は多くの水陸両用車両、特に軽戦車や駆逐戦車に多く見られた。また米軍は同様の装置をトラックやジープにも採用した。 ドイツ軍もアシカ作戦立案中にシャーマンDDと同じく水辺の戦闘で歩兵を支援する目的の戦車を開発している。これはTauchpanzer IIIと呼ばれるIII号戦車を改造した車両で、シャーマンDD同様、岸から数マイルのところで上陸用舟艇から発進させるものであった。一方でTauchpanzer IIIはDD戦車と異なり海底を走行した。防水仕様の戦車に、ゴム管でエンジンと乗員に空気を供給する装置を組み合わせることで、最大15mの潜水を可能にした本車は、潜水渡渉型戦車の優れた手本となった。[要出典] 現在では多くの車両がこれらと類似した装置を用いている。
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