仙台市選挙管理委員会とは? わかりやすく解説

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仙台市選挙管理委員会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/08 02:17 UTC 版)

仙台市選挙管理委員会(せんだいしせんきょかんりいいんかい)は仙台市選挙を管理するために設置される選挙管理委員会仙台市選管委仙台市選管

2014年衆議院議員総選挙・国民審査で発生した不祥事以降、国政選挙事務および地方選挙事務においてミス・不祥事が頻発している。

概要

仙台市は政令指定都市であるため仙台市選管の下部組織として青葉区太白区宮城野区若林区泉区)の選挙管理委員会が設置されている[1]

仙台市に関する選挙事務を所掌し、具体的には衆議院議員総選挙宮城県第1区(青葉区・太白区)・宮城県第2区(宮城野区・若林区・泉区)および比例東北ブロック参議院議員通常選挙宮城県選挙区および参議院比例区、また、宮城県議会議員選挙・宮城県知事選挙および仙台市議会議員選挙・仙台市長選挙に関する事務、また、最高裁判所裁判官国民審査に関する事務等を行う。

ミス・不祥事

第21回最高裁判事国民審査

2009年8月30日投開票の第21回国民審査では宮城野区の投票所投票者数を2784と記入とするところ2984とする誤記載があったことが2014年の不祥事に関連して判明した[2]

第46回衆議院議員総選挙・第22回最高裁判事国民審査

2012年12月16日投開票の第46回衆議院議員総選挙、第22回最高裁判事国民審査では、若林区で点字投票した女性1人を誤って追加し投票者数が増えた状態だった。また国民審査の青葉区において「裁判官全員を罷免」とする186票の集計がなされておらず、持ち帰り票として処理していたことが2014年の不祥事に関連して判明した[2]

第47回衆議院議員総選挙・第23回最高裁判事国民審査

2014年12月14日投開票の第47回衆議院議員総選挙、第23回最高裁判事国民審査において、青葉区の開票所で票の水増しの不正が発覚した。小選挙区に比べて比例代表の投票数が約1000人少ないことを報道機関が指摘、これに対して青葉区選管が調査したところ開票所の担当者2人が不在者投票と点字投票の人数を2重計上していたことが判明した。しかし、これに対して現場の係長職員は辻褄を合わせるために差を976票の白票[3]で埋め当日中に上司の選挙課長に報告、選挙課長はこれを黙認した。また、その後の市の調査で国民審査についても同様の不正が判明した。国民審査では何者かによって約1000票の誤差を信任票を500票、持ち帰り票505票として処理されていた。また、青葉区選管の事務局長が早期に事実を把握していたにも関わらず隠ぺいしていたことが判明した。これに対して市は事務局長を更迭、係長と選挙課長を更迭のうえで刑事告発し、宮城県警は2人を公職選挙法違反容疑などで書類送検した。また仙台選管、仙台市議会がそれぞれ独自にこの問題に関する委員会を設置した[4]

この不祥事に関連して仙台市選管は過去10年の選挙結果を調査しミスを3件(第21回国民審査、第46回衆院選・第22回国民審査)発見した。また、これらの調査の過程で、宮城野区、若林区、泉区の選管で10年保存すべき国民審査の書類が合計4件(2005年が3件、2009年が1件)廃棄されていることが判明した[2]

2015年仙台市議会議員選挙

2015年8月、仙台市議会選挙においては新たな投票手順を作成し、有権者数の多い投票所は人員を増やし、開票開始時間を繰り下げるなどし、白票も有効票と同様に集計したが、5つの区すべてで投票用紙の二重交付などのミスが発生した[5]

2015年宮城県議会議員選挙

2015年10月、宮城県議会選挙では太白区・泉区で集計トラブルが発生、開票終了が翌日未明までずれ込んだ[5]

第24回参議院議員通常選挙

2016年7月10日投開票の第24回参議院議員通常選挙において以下の事例が生じた。

  • 6月26日、期日前投票所に入場券を持たずに訪れた選挙人名簿に名前の無い20代男性に誤って投票用紙を交付、男性は選挙区と比例代表の投票を行った。宮城野区選管によるとアルバイトの職員が名簿確認の際、生年月日のみを入力し、名前を入力しなかったことで同住所で名前が一字違いの選挙人と勘違いし投票用紙を誤交付した[6]
  • 集計ミスで約4時間の遅れ[7]

2017年仙台市長選挙

2017年7月24日投開票の仙台市長選挙では泉区の開票所で投票総数が投票者総数より12票多くなる集計ミスが発生した[8]

第48回衆議院議員総選挙・第24回最高裁判事国民審査・2017年宮城県知事選挙

2017年10月22日投開票の第48回衆議院議員総選挙、第24回最高裁判事国民審査および宮城県知事選に先立って、郡和子仙台市長は「仙台市の選管が他よりも劣っていたり、何か特別な問題を抱えていたりしているとは認識していない」と語ったが、以下の事例が生じた[9]

  • 集計ミスによる確認作業に手間取るなどして衆院選と知事選の開票確定時刻が午前10時台になり目標時間を大幅に超過した。衆院選では青葉区の開票作業中、投票数が投票者数より3票多いことが判明、この確認に手間取り大幅に遅れが生じた。知事選でも投票数が投票者数より5票多かったため点検が行われた[9]
  • 新潟県新潟市中央区の選挙権を持つ男性の不在者投票を誤って東京都新宿区選管に送付。この票は投票終了までに本来の選管に到着せず無効となった[9]
  • 県外に転出して選挙の資格がなくなった人に知事選の投票用紙を誤って交付した[9]

第25回参議院議員通常選挙

2019年7月21日投開票の第25回参議院議員通常選挙において以下の事例が生じた。

  • 若林区選管は開票作業で複数のミスが発生し、開票確定が全国最遅の午前7時19分となった。有権者が投票用紙を置いたままにした置き去り票を投票者数に加えなかったことと、投票用紙の自動交付機の故障で手渡し交付した票1枚を数えていなかったことによって、投票用紙枚数と投票者数に2票のずれが生じた[10]
  • 開票作業の終了後に、自民現職の愛知治郎の票が誤って立憲新人の石垣のりこに配分されていたことが判明し、再点検したところさらに点字投票1票の誤配分が判明し、計222票が誤って石垣に多く集計されていた[10]

2019年仙台市議会議員選挙

2019年8月16日公示の仙台市議選において、青葉区選管はポスター掲示板の区画表示番号を6区画分2重に表示するミスがあったと発表した[11][12]。同様のミスは2015年の市議選においても発生していた[11]

2019年宮城県議会選挙

2019年10月27日投開票の宮城県議会選挙の若林区の開票所で投票総数が投票者数より1票少ない状態が起こり、捜索したところ見つからなかったため持ち帰り票と判断した[13]

2021年仙台市長選挙

2021年8月1日投開票の仙台市長選挙において、午後11時50分現在の票数を誤って発表した。市選管によると若林区選管から報告された票数「25683」を選管職員が「37500」と誤入力したとしている[12]

第49回衆議院議員総選挙・第25回最高裁判事国民審査・2021年宮城県知事選挙

2021年10月31日投開票の第49回衆議院議員総選挙、第25回最高裁判事国民審査ではミスが相次ぎ開票確定に最大7時間の遅延が生じた。青葉区選管では投票総数が投票者総数より17票多いことが判明し、未使用の投票用紙などを再集計したところ一か所の投票所で実際の投票者数よりも少なく報告されていた。この再集計の作業で青葉区の開票所では予定の午前1時判から7時間遅延した。泉区や太白区の開票所でも票数と投票者数の不一致が起こり、確認作業などでそれぞれ2時間、3時間半の遅れが生じた[14]

また、同日投開票の宮城県知事選挙では、県外に転出し選挙資格がなくなっていた男性に誤って投票用紙を交付した[15]。また、持ち帰り票として処理されていた投票用紙が第50回衆議院議員総選挙の際に投票箱から発見された[16]

第26回参議院議員通常選挙

2022年7月10日投開票の第26回参議院議員通常選挙においては以下のような事例が生じた。

  • 6月23日、期日前投票所の政党・候補者一覧の選挙管理委員会名を誤表記した。泉区選管によると、これは若林区が代表して作成した政党・候補者一覧を修正しないまま泉区が印刷、掲示したため起こったが、政党・候補者に誤りはないため投票は無効にならないとしている[17]
  • 6月28日、青葉区選管によると期日前投票で有権者から代理投票の申し出を受けた職員が候補者名のほかに、自分の姓および代理投票であることを投票用紙に書いて投票箱に入れた[18]
  • 研修回数を増やし、集計機械を8台から29台に、作業人員も100人増強して開票作業に当たったが、開票終了予定時刻午前5時(青葉区は午前6時)に対してシステムトラブルで青葉区が30分、太白区が1時間、集計機械のトラブルで泉区が2時間予定より遅れて開票終了となった[7]

2023年仙台市議会議員選挙

2023年7月31日投開票の仙台市議会議員選挙では太白区で投票数が投票者数より1枚多かったため数えなおしを行い開票作業に遅れが生じた[19]。また、市議選の候補1人から提出された「選挙運動費用収支報告書」の受理日を誤って約1ヶ月遅くしていたことが判明した[20]

第50回衆議院議員総選挙・第26回最高裁判事国民審査

2024年10月27日投開票の第50回衆議院議員総選挙、第26回最高裁判事国民審査において以下のような事例が生じた。

  • 10月19日、期日前投票において宮城総合支所の投票所で有権者1人に投票用紙を2重交付するミスをした。青葉区選管によると有権者が比例代表と国民審査の投票の前に入場券を小選挙区の投票箱に入れたという申告し、これに対して比例代表と国民審査の投票用紙を再交付した。しかし、その後の確認作業の中で実際には既に入場券を回収し、比例代表と国民審査の投票用紙が1枚多く交付されていたことが確認された。青葉区選管は余分に交付された投票用紙は有効票として扱うとしている[21]
  • 10月26日、泉区の第20投票区上谷刈センター投票所の設営作業中に、組み立てた投票箱の中から2021年の衆議院選と同日に行われた県知事選の記入済み投票用紙が2枚見つかった。投票用紙は2枚とも落選した長純一に投票された有効票であったが、当落結果の大勢に影響がないこと、異議申し立て期間が過ぎていることから確定票は訂正しない方針としている[16][22]
  • 宮城2区の宮城野区の開票所では10月28日午前1時頃、投票総数より得票総数が13票多かったことが判明。すべて票を数えなおすこととなり、開票結果の確定時刻が予定より30分遅れて午後2時半ごろとなった[16]
  • 10月28日、宮城2区の泉区選管は職員が一部の不在者投票オンライン請求に気付かず、2人が投票できなかったと発表した。同選管は10月21日(受付最終日は26日)に7件のオンライン請求を受けていたうち2件が未処理となっており、同選管によると画面をスクロールで見落としたと説明し陳謝した[16]

脚注

出典

  1. ^ 市選挙管理委員会と区選挙管理委員会の関係について” (2015年2月26日). 2025年7月7日閲覧。
  2. ^ a b c 仙台市の選管票水増し 過去選挙でも3件ミス、書類廃棄も判明」『産経新聞』2015年2月3日。オリジナルの2025年7月7日時点におけるアーカイブ。
  3. ^ 衆院選で集計ミス隠蔽、仙台 976票水増し処理」『琉球新報』2014年12月26日。オリジナルの2025年7月7日時点におけるアーカイブ。
  4. ^ 衆院選「開票ミス」を「白票水増し不正」で隠蔽した仙台市職員の凄まじきコンプライアンス意識…判事国民審査では犯人いぜん名乗り出ず」『産経新聞』2015年4月3日。オリジナルの2025年7月7日時点におけるアーカイブ。
  5. ^ a b 白票水増し、集計トラブル…ミス連発 仙台市選管、今度は大丈夫?」『産経新聞』2016年6月29日。オリジナルの2022年10月4日時点におけるアーカイブ。
  6. ^ 仙台市、投票用紙を誤交付 選挙人名簿に名前なし」『産経新聞』2016年6月27日。オリジナルの2025年7月7日時点におけるアーカイブ。
  7. ^ a b 開票ミス連発の仙台市選管 7月参院選でミスは…あった “汚名返上”ならず 開票作業の裏側」『仙台放送』2022年7月16日。オリジナルの2025年7月7日時点におけるアーカイブ。
  8. ^ 仙台市長選で開票トラブル 投票数が投票者上回る」『産経新聞』2017年7月24日。オリジナルの2017年12月27日時点におけるアーカイブ。
  9. ^ a b c d 宮城県知事選 仙台市選管またしてもミス 確定は翌朝、一票無駄に」『産経新聞』2017年10月25日。オリジナルの2021年10月17日時点におけるアーカイブ。
  10. ^ a b 222票配分ミス 開票遅延で選管最終発表全国ワースト 参院選宮城選挙区」『毎日新聞』2019年7月23日。オリジナルの2025年4月1日時点におけるアーカイブ。
  11. ^ a b 市議選の掲示板 7~12の区画なく 仙台市選管がミス」『毎日新聞』2019年8月16日。オリジナルの2022年12月26日時点におけるアーカイブ。
  12. ^ a b 仙台市長選で開票中間速報入力ミス、市選挙管理委員会が票数訂正」『産経新聞』2021年8月2日。オリジナルの2021年8月2日時点におけるアーカイブ。
  13. ^ 宮城県議選で投票者数と票数不一致 仙台・若林で確定遅れ」『河北新報』2019年10月28日。オリジナルの2020年10月19日時点におけるアーカイブ。
  14. ^ 仙台市選管でまたミス…開票7時間遅れ」『産経新聞』2021年11月2日。オリジナルの2025年7月7日時点におけるアーカイブ。
  15. ^ 知事選の投票用紙、県外転出者に誤って交付 仙台市宮城野区選管」『河北新報』2021年11月1日。オリジナルの2025年4月18日時点におけるアーカイブ。
  16. ^ a b c d 数が合わず全票数え直し、投票箱から3年前の知事選の記入済み投票用紙も…仙台市でトラブル相次ぐ」『読売新聞』2024年10月29日。オリジナルの2024年12月24日時点におけるアーカイブ。
  17. ^ 期日前投票所の政党・候補者一覧に選挙管理委員会名を誤表記 仙台・泉区」『東日本放送』2022年6月23日。オリジナルの2022年7月1日時点におけるアーカイブ。
  18. ^ 期日前投票で職員が代理投票で記載ミス 仙台・青葉区選挙管理委員会」『東日本放送』2022年6月30日。オリジナルの2022年7月15日時点におけるアーカイブ。
  19. ^ 太白区の開票所で「投票者数より投票用紙1枚多く」数え直し 55人の当選者の顔ぶれは【仙台市議会議員選挙2023】」『TBC東北放送』2023-07--31。オリジナルの2023年8月1日時点におけるアーカイブ。
  20. ^ 仙台市選管、市議選の収支報告書受理日を誤る 候補者1人1ヵ月遅く「政治家の信用に関わる」」『河北新報』2023年11月2日。オリジナルの2025年7月7日時点におけるアーカイブ。
  21. ^ 衆院選の期日前投票で投票用紙を有権者に二重交付 青葉区選挙管理委員会 仙台市」『TBC東北放送』2024年10月20日。オリジナルの2025年7月7日時点におけるアーカイブ。
  22. ^ 投票箱から「3年前の知事選の投票用紙」衆院選の投票所で職員が開設準備中に発見 3年前は「持ち帰り票」として扱う 仙台」『TBC東北放送』2024年10月28日。オリジナルの2025年7月7日時点におけるアーカイブ。

関連項目

外部リンク

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