付着、免疫回避、免疫抑制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 10:21 UTC 版)
「病原性因子」の記事における「付着、免疫回避、免疫抑制」の解説
細菌は種々のアドヘシン(リポタイコ酸、自己輸送体アドヘシン三量体、その他多くの表面タンパク質)を産生し、宿主組織へと付着する。 莢膜は、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)を含む多くの細菌の表面構造を形成する。宿主の外側にいる間に宿主からの食作用から保護し、免疫回避に重要な役割を果たす。 化膿レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)といった多くの細菌ではタンパク質分解酵素を用いて免疫グロブリン(Ig)を分解できる。免疫グロブリンとは宿主が感染に応答して発現・分泌する抗体である。宿主による病原体の分解に中心的な役割を演じる。 ウイルスも病原性因子を有しており、ニッチ特異的なウイルス遺伝子が病原性因子をコードする。これらの遺伝子は特定の時期または環境で特定の役割を果たす。典型的なのは、ヘルペスウイルスなど多くの病原ウイルスが有する、潜伏期間を制御する遺伝子である。マウスγヘルペスウイルス68(γHV68)やヒトヘルペスウイルスは、特定の環境条件が現れた際に再活性化して慢性感染を維持する遺伝子群に依存する。この遺伝子群はウイルスの溶解段階には必須ではないが、慢性疾患や増殖の促進に重要である。
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