仕官以前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/30 19:34 UTC 版)
バイバルスはエジプトから遠く離れた、黒海北方のキプチャク草原に居住する遊牧民族キプチャクの出身である。14歳ごろにモンゴル軍のアナス・ハーンに捕らえられ、アナトリア半島のスィヴァスで奴隷商人に引き渡された。 モンゴル軍の進攻の後、中東の奴隷市場は供給過多と言える状態になり、バイバルスの買い手はなかなか現れなかった。バイバルスはハマーのアイユーブ家の王族の元に売られたが、肌が褐色であるという理由で返却される。次にダマスカスに連れて行かれ、一度は800ディルハム(約40ディナール)で購入されたが、片目に白内障の斑点があるという理由で再び返却された。もう一度ハマーに戻り、アイユーブ朝のアミール(司令官)であるアイダキーン・アル=ブンドゥクダーリーによってようやく購入され、奴隷身分から解放された。 アイダキーンはアイユーブ朝のスルターン・サーリフから不興を買ってハマーに左遷されていたがやがて許され、1246年にバイバルスはアイダキーンに従ってカイロに移った。しかし、再びサーリフの怒りを買ったアイダキーンは財産を没収され、バイバルスもサーリフ直属のマムルーク軍団であるバフリー・マムルークに編入された。サーリフの下に入ったバイバルスは最初衣装係に任命され、20歳頃に連隊長の地位に昇進する。
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