仏教経典ができるまでの数世紀間の伝承
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「初期仏教」の記事における「仏教経典ができるまでの数世紀間の伝承」の解説
多数ある経典の中で最も古いとされている『スッタニパータ』の中には、ゴータマ・シッダッタが語ったとされる初期の言葉が伝えられている。この経典には、最古層の仏教思想とともに、最初期の仏教教団の状況についても、伝えられているとされている。大蔵経の中では、『パーリ語三蔵』が最も古くまとめられたとされ、その中で最も古いのは、『サンユッタ・ニカーヤ』における第一集であるとされている。 仏典作成の発端となった何回かの結集において、はじめのころは、各弟子が記憶していた教えを直ちに文字として記録することがなかった。弟子たちの記憶にもとづいて弟子から弟子へ口伝されたのである。そのため、初期のものとされる経典は、記憶しやすいように短い詩の形式にまとめられるものが多かった。この記憶による伝承は数世紀間続いたとされ、その間には、弟子たちの思想も混入したと考えられている。伝承されてきた教えがはじめて文字として保存されるようになったのは、前一世紀頃だといわれている。入滅は前383年と考えられているので、ゴーダマ・シッダッタの死から200年以上は文字としての経典は成立していなかったことになる。
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