二重うつ病
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 04:49 UTC 版)
二重うつ病は、既存の気分変調症を下地に、うつ病エピソードを経験する時に起こる。患者はうつ病エピソードを自らの人格の自然な一部分、ないしは人生の一部分であり、かつコントロール不能であると受け止めるため治療は難しい。気分変調症患者は増悪する症状を不可避なものとみなすことがあり、そうすると治療介入が遅れうる。仮に彼らが治療を求めたとしても、うつ病の症状だけが語られ気分変調症の症状が語られないと、治療は十分効果的にならないことがある。二重うつ病の患者は健常者よりも有意に高度の絶望感を訴えるため、メンタルヘルス治療者が患者の治療に当たる際には着目すると有用である。それに加え、認知療法は二重うつ病患者に対処する際、ネガティブな思考パターンを変え、自身と自身の環境を見る新しい視点を提供するために有効である。 二重うつ病の最もよい予防法が気分変調症の治療であることが示唆されている。抗うつ薬と認知療法の併用は抑うつ症状の発症を防ぐのに有効でありうる。それに加え、運動と良好な睡眠衛生(例えば睡眠パターンの改善など)は気分変調症状治療と増悪予防に相加的効果を有すると考えられている。
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