二重の基準論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 03:42 UTC 版)
先述の優越的地位の理論から違憲審査基準としては二重の基準論が主張される。二重の基準論とは、経済的自由と精神的自由を区別し、前者の規制立法に関しては広く合憲性の推定を認め「合理性の基準」によって合憲性を判定するが、後者の規制立法に関しては合憲性の推定は排除され「合理性の基準」よりも厳格な基準によらなければならないとする法理をいう。 二重の基準論の根拠としては、表現の自由については経済的自由について認められる政策的な制限が認められないことや、表現の自由の濫用による弊害は経済的自由の濫用による弊害ほど客観的に明白でない場合が多く、表現の自由の制限が必要やむを得ないか否かは一層厳密に判断する必要があることが挙げられている。さらに、かりに経済的自由が不当に制限されているとしても自由な討論という民主主義的な政治プロセスを経て是正できるが、表現の自由が不当に制限されている場合には自由な討論そのものが制限されているため民主主義政治過程が十分に機能せずそれを是正することができないという問題を生じることも挙げられている。 「二重の基準論」も参照
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