二重の指揮系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/17 22:52 UTC 版)
地域行政・動員の組織図 軍管区司令部 師管区司令部 連隊区司令部 防衛の指揮系統図 方面軍司令部 軍管区司令部 師団 師管区司令部 連隊 地区司令部 補充隊 特設警備隊等 地区特設警備隊 制度上、師管区司令部は、二系統の指揮の結節点となった。一つは軍管区-師管区-連隊区という軍政の系、もう一つは、方面軍-軍管区-師管区-地区という地域防衛の系である。しかし、司令部要員の顔ぶれは、方面軍と軍管区がほとんど兼任、連隊区と地区もほとんど兼任だったので、組織の実体は一系統で、管区の司令部は管区業務と防衛の両方を担っていた。 その結果として、防衛戦闘では二系統の指揮が並ぶこととなり、こちらは実質的なものである。本土防衛では、軍管区と同じ範囲を持つ方面軍の下に、師団が都道府県よりずっと狭い防衛担任地域を与えられて守りについた。師管区司令部はこれと別に、数都府県にまたがる師管区を防衛担任地域として、直属の補充隊と、戦闘に適さない官衙のほか、地域住民を動員した特設警備隊・地区特設警備隊などを師管区部隊として束ねた。一地域に二重の指揮が及んだことになる。戦闘の主力は師団などの作戦部隊で、師管区部隊は警備等の補助的任務にあたった。二重の防衛指揮は、作戦部隊の指揮官から後方警備や民兵動員に関わる責任を除き、敵軍との戦闘に専念させる意味を持っていた。しかし、師団級の部隊がない防備の手薄な地域では、師管区司令部が主たる防衛指揮を委ねられた。
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