優越的地位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 07:05 UTC 版)
プライバシーの権利などは憲法13条の幸福追求権から間接的に導かれるのに対し、表現の自由は憲法で強く保障されているので、これに優越的地位があるというもの。ほぼ無条件に優越性を認めるものと、実際には個別具体的に判断するものに分かれる。しかし、この見解はあまり妥当とはいえない。なぜならば、憲法学上表現の自由の優越的地位とは、表現の自由が最上位の人権であるという意味ではなく(かつてはそういう議論もあったが)、表現の自由の重要性に鑑みて、その規制に対する違憲審査基準を厳しく設定すべきという議論である。 人権の重要性からいえば、プライバシーも表現の自由も個人の尊厳に立脚する精神的自由権という点ではその重要性には違いがなく、両者の抵触が生じた場合には憲法上の価値が同等であることを踏まえた比較衡量の手法がとられるのが一般である。むしろ、両者の衝突が生じた場合にはプライバシーを原則的に優先させるべきという考えさえ存在する。この解釈は、マスコミがよく意味を理解せず、自己の立場を正当化するために用いたものと考えるのが妥当である。
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