三部作の「解体」とは? わかりやすく解説

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三部作の「解体」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 06:56 UTC 版)

三部作 (プッチーニ)」の記事における「三部作の「解体」」の解説

プッチーニ自身は『アンジェリカ』を「三部作中でも珠玉の作とみなし偏愛していたとされているが、皮肉なことに同作がもっと早く演奏されなくなる運命にあった1920年6月からのロンドン・コヴェント・ガーデン劇場での「三部作英国初演では、2夜目から『アンジェリカ』が落とされ外套』・『スキッキ』のみの演奏となったプッチーニ強硬に抗議したが無駄であった。 こうして「三部作」の解体始まり各作品それぞれ単独で、あるいは他作曲家の短幕物オペラ例えば『カヴァレリア・ルスティカーナ』、『道化師』といったヴェリズモ・オペラ、あるいはリヒャルト・シュトラウス『サロメ』、あるいはバレエなどとの組合せの上演が増えることとなった女声のみで成る『アンジェリカ』はこの場合やはり不利で、演奏機会は他の2作に比べて格段に少ない。 作曲者プッチーニ意図通りの「三部作」が受け入れられなくなった理由としては、『アンジェリカ』が「弱い」と考えられたためばかりでなく、3つのオペラそれぞれ50分)を上演し舞台転換をすることを考えると終演までには4時間以上を要する(これはプッチーニ他作品すべてよりも、またヴェルディの殆どの作品よりも長い)こと、プリマ・ドンナソプラノはどうしても2人要するので、上演コスト高くつくこと、といった実際的な事情大きかった考えられる。更にバンダなどの楽器編成オルガンピアノ2台などを含み大きすぎるのも原因一つである。最近はミュンヘンのゲルトナープラッツ・オペラのように3部作戻して演奏例もある。ヨーロッパ学生オペラでは「ジャンニ・スキッキ」だけを取り出してヘンツェの1幕物のオペラなどと組み合わせてよく上演されオペラ科学生の登竜門となっている。 そして、細かいことのようだがここでもリコルディ社巧みビジネス戦略感じられる。というのは、出版され楽譜ではどこにも「三部作 (Il trittico )」の字はないし、上演組合せで行うべしとの指示存在しない、あくまで3つの個別作品との扱いとなっているのである。「三部作総体でひとつの芸術的まとまりをもつものと考えていたプッチーニにとってこの処置は不満があったようだが、各作の個別上演可能にすることで延べ上演回数増加し結果としてリコルディ社ひいてはプッチーニ自身)の収益増大したのである最近ではドーヴァー出版スコアのように3部全体をまとめた楽譜販売されている。

※この「三部作の「解体」」の解説は、「三部作 (プッチーニ)」の解説の一部です。
「三部作の「解体」」を含む「三部作 (プッチーニ)」の記事については、「三部作 (プッチーニ)」の概要を参照ください。

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