三人これを疑えば、その母も懼るとは? わかりやすく解説

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三人これを疑えば、その母も懼る

出典:『Wiktionary』 (2018/07/01 12:19 UTC 版)

成句

三人さんにんこれを疑(うたが)えば、その母(はは)懼(おそ)

  1. 親子のように、どんなに固い絆があっても三人(この場合多数をさす)が口をそろえて言えばあり得ない嘘や噂も人は信じてしまうということ

出典

史記樗里子甘茂列伝』より

白文
甘茂至、王問其故。對曰、「宜陽大縣也、上黨南陽積之久矣。名曰縣、其實郡也。今王倍數險、行千里攻之、難。昔曾參之處費、魯人有與曾參同姓名者殺人、人告其母曰、『曾參殺人』、其母織自若也。頃之、一人又告之曰『曾參殺人』、其母尚織自若也。頃又一人告之曰『曾參殺人』、其母投下機、踰牆而走。夫以曾參之賢與其母信之也、三人疑之、其母懼焉。今臣之賢不若曾參、王之信臣又不如曾參之母信曾參也、疑臣者非特三人、臣恐大王之投也。
訓読文
甘茂至るに、王其故を問ふ。對へて曰く、「宜陽大縣にして、上黨南陽これを積むこと久し。名は、縣と曰へども、その実は郡なり。今王数険を倍し千里行きて、これを攻めんとするも、難し。昔曾參これ費ふる処、魯人曾參同姓名の者人を殺す有り、人、その母に告げて曰く、『曾參人を殺す』、その母自若として織る。これに頃し、一人又これを告げて曰はく曾參人を殺す』、その母自若として織る。頃して、又一人これを告げて曰はく曾參人を殺す』、其母投げ機を下り、牆を踰え走る。それ曾參の賢をもって、その母これを信ずるといへども、三人これを疑へば、その母懼るなり。今臣の賢曾參に若かざれば、王これ臣を信ずること、曾參の母曾參信ずるにしからずなり、臣を疑ふ者ただ三人にあらずとも、大王投ぐるを臣恐るなり。
現代語訳
甘茂参内すると、王はその理由を問うた。甘茂答えて言った、「宜陽大きな県で、上黨南陽久しく攻略しています。名は、県と言っていますが、その実は(さらに広域の)郡です。今王は、軍隊増やして遠征しようとしていますが大変困難でしょう。昔、孝行者で知られ曾参というものがいました。あるとき、曾参同姓同名の男が、人を殺しました。とある人が曾参母親に、「曾参が人を殺した」といいましたが、母親取り合いませんでしたその後別の人がきて、「曾参が人を殺した」と知らせましたがまた取り合いませんでした。ところが、三人目にきた人が「曾参がひとを殺した」と知らせると、母親機織り器具であるなげだして、垣根を越えて逃げ出してしまいました曾参は徳が高く、その母親固く信じていたのでしょうが、3人もの人が疑えば、その母親でさえ信じてしまうのです。今、私の徳は曾参及ばず、王の信頼も、曾参母親曾参信じたものに及ばないでしょう。私を疑う者が三人にもならないうちに、王が投げるのを恐れるのです。
解説
宰相甘茂出陣先立ち、(長い間戦で離れるので)自分作戦行動にどんな噂がたっても疑い起こさぬようにと、秦王対し予防線をはったときの話である。

同意句

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