一卵性多胎児の出生頻度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 14:33 UTC 版)
日本における1980年の学術調査によれば三つ子の各卵性別の出生頻度は100万組あたり以下の組数であったと報告されている。 一卵性(monozygotic) - 30組 二卵性(dizygotic) - 18組 三卵性(trizygotic) - 7組 ただし、北海道と九州・沖縄の一部地域は他の日本国内地域の標準的な多胎児出生率と比べ極端な相違があるため、この数字には含まれていない。 三つ子以上の多胎児が一卵性で生まれてくる確率は極めて低い上に、その出生確率も不確かである。一卵性多胎児が誕生するとその受胎・出生確率に関する担当医師のコメントが報道時に引用されるが、その報道される数字はしばしば下記のように大きな隔たりがある。一卵性三つ子の場合、引用される確率の隔たりは6万分の1から2億分の1にわたる。なお一般に(卵性不問で)三つ子の受胎率はコーカソイドで8100分の1、ニグロイドでは9800分の1とされる。日本多胎支援協会は三つ子と四つ子の出生確率の計算例(一卵性品胎で約3万分の1、一卵性要胎で約300万分の1)を示しつつ、そもそも受精卵が多胚化する確率等が不明瞭であるため、多胎児の出生確率を算出すること自体が無意味であると指摘している。 一卵性三つ子 誕生地オーストリア、イギリス国籍、コーカソイド。2億分の1の発生確率と報道された。 誕生地インド。300万分の1の発生確率と報道された。 誕生地ドイツ、ドイツ国籍、コーカソイド。100万分の1以下の発生確率と報道された。 また、報道される四つ子の出生確率では、二組の一卵性双生児による二卵性四つ子の確率は7000万分の1と報道されているのに対し、より低確率となる一卵性四つ子の発生確率は1300万分の1と報道されている。 一卵性四つ子 カナダ国籍、コーカソイド、誕生地アメリカ合衆国。1300万分の1の発生確率と報道された。 二卵性四つ子 誕生地アメリカ合衆国テキサス州ヒューストン。一卵性双生児二組による四つ子で、7000万分の1の発生確率と報道された。 なお、ヘリンの法則によれば四つ子の出生確率は全卵性の合計で約70万分の1となるが、アメリカでは2010年における出生総数3,999,386人に対し、多胎児出生数は卵性不問で三つ子5153組、四つ子313組(およそ0.0078%、1万3000分の1の確率)、五つ子以上は37組であった。2010年頃のアメリカの多胎児出生率は、明らかにヘリンの法則から逸脱していたことが示されている。
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