ヴォルテールの名言とされてきた文言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 05:37 UTC 版)
「ヴォルテール」の記事における「ヴォルテールの名言とされてきた文言」の解説
言語文章英語の原文“I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it” was his attitude now. フランス語の翻訳文“Je ne suis pas d’accord avec ce que vous dites, mais je défendrai jusqu’à la mort votre droit de le dire” était désormais son attitude. 日本語の翻訳文「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」とは今の彼の態度だった。 有名な「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」(または「―権利には賛成だ」。フランス語の翻訳文では「命をかけて」は同義の「飽くまで」)という言葉は、民主主義・自由主義のとりわけ表現の自由、言論の自由の原則を端的に示した名文句として人々に記憶されている。 しかし実はヴォルテールの著作や書簡にはみえず、S・G・タレンタイアの著作『ヴォルテールの友人』("The Friends of Voltaire"、1906年)中の「'I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it,' was his attitude now.」の部分翻訳である。これは当時物議を醸した書物『精神論』とその著者クロード=アドリアン・エルヴェシウスに対するヴォルテールの態度のタレンタイアによる要約であり、ヴォルテール自身の言葉とはされていない。 なお Norbert Guterman の『A Book of French Quotations』(1963)は、このホールの言葉を、ヴォルテールの1770年2月6日、M. le Riche あての書簡にある、「私はあなたの書いたものは嫌いだが、私の命を与えてもあなたが書き続けられるようにしたい」(Monsieur l’abbé, je déteste ce que vous écrivez, mais je donnerai ma vie pour que vous puissiez continuer à écrire.)にもとづくものとしているが、実際の Riche あての書簡にはそのような文言は存在しない。
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