ヴィヴァルディの偽作
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「ニコラ・シェドヴィル」の記事における「ヴィヴァルディの偽作」の解説
1737年、シャドヴィルはジャン=ノエル・マルシャン (Jean-Noël Marchand 1700-1756)と組んで、パリの出版社マダム・ボワヴァンから曲集を出版するが、それには「アントニオ・ヴィヴァルディ作曲『忠実な羊飼い(Il pastor Fido)』Op.13」というタイトルがついていた。シェドヴィルはその出版で利益を得たが、1989年に発見された1749年9月17日付けのマルシャンによる公正証書により偽作と証明された。ミュゼットのための作品がなかった偉大な作曲家の名を利用して、ミュゼットを流行らせることが目的だったのかもしれない。 イタリア音楽への彼の関心は、10人のイタリア人作曲家(と、イタリア人でないヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ、アントワーヌ・マオウ[Antoine Mahaut 1719 – c. 1785])の協奏曲やソナタをミュゼット、ハーディ・ガーディ、フルートといった楽器のために編曲した曲集を1739年8月に出版するに至る。ヴィヴァルディの「四季」をミュゼット、ヴァイオリン、フルート(フランスのフルートはリコーダーを指すこともあるが)のために編曲した「Le printems, ou Les saisons amusantes」(1739年)は面白いくらいに好評だった。彼はヴィヴァルディの「夏」を「協奏曲 ニ短調(作品8『和声と創意の試み』の第9番に置き換え、「冬」の中間楽章を「秋」に移動し、さらに「冬」を「協奏曲 ハ長調(作品8の第12番)」と入れ替えた。好き勝手のアレンジで、さらには自作の旋律まで書き加えている。
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