ヴァンセンヌでの再実験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 09:42 UTC 版)
「ストラディバリウス」の記事における「ヴァンセンヌでの再実験」の解説
2012年9月に再実験が行われた。再実験では6台のストラディバリウスと2台のガルネリを含んだ9台のビンテージヴァイオリンが用意され、それらの1/100の価格で取引されている新作ヴァイオリン13台の合計22台が10名の世界的演奏者によって75分間演奏され、演奏者自身によって楽器のランク付けを行った。演奏者には、「自分がもし楽器を交換するなら、どの楽器を使いたいか」という趣旨で選定を行わせ、『新作楽器vsビンテージ楽器』の実験であるということは伏せられた。そのランキング上位2つのヴァイオリンと演奏者が自己所有する楽器との比較も行われた。実験は、300人収容のパリ・ヴァンセンヌの音楽ホールとリハーサル室で実施され、60人の聴衆もその音色を評価した。演奏は、独奏やピアノ伴奏、オーケストラとの伴奏で比較された。前回同様に実験は二重盲テストの形式で行われ、演奏者は溶接作業用のサングラスを付け、聴衆は薄いカーテン越しに音を聴いて各楽器を評価した。選考の結果、新作楽器の1つが4人の演奏者によって12台中で最高であると評価され、残る6人の演奏者もその楽器を次点として選定した。上位4位までにランクインした楽器の数は、新作楽器:ビンテージ楽器が4:1であり、新しい楽器を高く評価する傾向がみられた。聴衆もストラディバリウスを含んだビンテージヴァイオリンより新作ヴァイオリンの方を高く評価した。 更に付加実験として、「今弾いている楽器は新作楽器かビンテージ楽器か」を当てるテストも実施された。その結果、正解が31回、不正解が33回、答えが曖昧だったのは5回であり、演奏者は演奏している楽器がビンテージ楽器か新作楽器かも区別することが出来なかった。ただし、どの楽器が自分にとって好ましい楽器かは即座に判断を下すことが出来た。 2012年の再実験の模様(動画) You1tube 「2012 - The Paris Double-Blind Violin Experiment」
※この「ヴァンセンヌでの再実験」の解説は、「ストラディバリウス」の解説の一部です。
「ヴァンセンヌでの再実験」を含む「ストラディバリウス」の記事については、「ストラディバリウス」の概要を参照ください。
- ヴァンセンヌでの再実験のページへのリンク