ワ19780形(ワム19780形)
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「国鉄ワム1形貨車」の記事における「ワ19780形(ワム19780形)」の解説
ワ19780形は、1914年(大正3年)に100両(ワ19780 - ワ19879)が製造された、14トン積みの有蓋車である。軍馬の輸送に適した車体高さを持った貨車(6頭積載可能)として馬を繋いでおく馬環も設けられ、記号「ム(務馬=ムマのム)」を付すことになり、翌1915年(大正4年)にワム19870形に改称された。この記号「ム」は、1928年の車両称号規程改正時に14 - 16トン積みの貨車を表す記号として流用され、重量記号「ム・ラ・サ・キ」の元となった。 また、積載荷重は後年、次級ワム32000形と同じ15トン積みに変更されている。 車体は、鋼製の柱を車体外部に立て、側板として木板を横羽目としたもので、側面には、幅1,370mmの荷役用片引き扉が設けられている。引き戸は木製であったが、後に木製から鋼製に交換されたものもある。側板には、後年、補強として鋼板の筋交いが設けられたものが多かった。床と屋根は木製である。妻面上部には、1個の通風器が設置されている。 台枠は、前級から引き続いて鋼製である。軸ばねの支持装置は、(一段)リンク式であったが、ばねの折損事故が相次いだため、後年シュー式にグレードダウンされたものがある。次級ワム32000形(後のワム3500形)の車軸が長軸であるのに対し、本形式は10トン短軸であることが大きな違いとなっている。最高速度は65km/hである。 諸元については、全長7,830mm、全幅2,565mm、全高3,734mm、容積36.3m3、軸距は3,962mm、自重は6.4 - 8.8tである。
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