ロー・スクールの授業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 07:29 UTC 版)
「ロー・スクール (アメリカ合衆国)」の記事における「ロー・スクールの授業」の解説
ロー・スクールにおける過半の授業ではラングデル式教育方法がとられている。そこでは、ケースブックと呼ばれる分厚い判例集がテキストに指定され、その内容に沿って授業が進められる。テキストの内容は様々ではあるが、事実認定については問題がない法律審の判例が選ばれ、法律についての簡単な解説がなされた後に、当該法律に関連する事例(判例)の判決文がそのまま掲載され、延々と判決原文が続くというものが多い。主要科目のケーステキストは概ね1,000ページ前後にも及び、重厚なものである場合が多い。教員によって授業の進度の違いはあるが、学生は、このケースブックを1科目につき、週平均40ページから100ページ程度を事前に読んで授業に臨むよう求められ、一人では到底消化ができないため何人かのグループを作り、そのメンバーで手分けをして予習し議論をした上で授業に臨むことが多い。 授業における教員のスタイルは学生と教員間での質疑・対話による進行(ソクラテス・メソッドと呼ばれる)を徹底して用いるのが伝統的なものであるが、ラングデル式は学生のプライドを傷つけ、過度に競争心を煽るものであるなど批判も多い。そのため、近時は、教員が主に内容を解説する講義方式の授業を行う教員がいるなど、内容に応じて様々であるが、一般に、教員が授業中に学生を指名して問いを投げかけたり、学生が挙手して教員に質問したりする頻度は高く、そのようなやり取りにおける積極性・内容を高く評価する評価システムがとられている場合が多い。 このように、ロー・スクールの授業内容は、法を学ぶというより、法律家として考える方法を学ぶことを主たる目的としているが、それは、過度にアカデミックで実務には役に立たないと批判されており、ほとんどの大手の事務所では採用した新人弁護士に独自に研修を行なっている。
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