ロッキー・ホラー・ショーの登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 16:02 UTC 版)
「カルト映画」の記事における「ロッキー・ホラー・ショーの登場」の解説
このミュージカル作品では、奇怪な衣装をまとった登場人物が終始悪ふざけをしつづける。物語や演技・映像の見事さといったそれまで「良い映画」とされる条件を欠いており最初の興行ではまったく失敗したが、70年代の風俗や言葉づかいをそのまま取り込んだ演出に若い観客が注目し、ニューヨークなどで深夜上映会が繰り返し行われるようになった。上映回数を重ねると、映画の衣装を身にまとった観客による集まり、作品に登場するわずかな台詞の記憶を競いあう集まりなど、作品を軸にさまざまな消費行動が始まってゆく。 当時のアメリカでは、カリスマ的人物への熱狂的な崇拝と異教的な礼拝儀式で特徴づけられる宗教集団「カルト」が急増しており、1968年にチャールズ・マンソンとその支持者らが「シャロン・テート殺害事件」を引き起こして大きな社会問題となっていた。 『ロッキー・ホラー・ショー』などに集まった若い観客は、自分たちのファン行動を、揶揄をこめてこのカルトになぞらえ、崇拝対象となる作品を「カルト映画 (Cult Film)」と呼ぶようになった。また上記のような典型的な「カルト映画」の受容方法は、以後、大都市以外でも行われるようになってゆく。
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