レーダー、特に気象レーダー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/21 07:36 UTC 版)
「後方散乱」の記事における「レーダー、特に気象レーダー」の解説
後方散乱はレーダーシステムの背景原理である。 気象レーダーでは、標的の直径よりも波長が長い限り後方散乱は標的の直径に標的特有の反射物性を掛け合せたものを6乗したものに比例する(レイリー散乱)。水は氷よりもほぼ4倍反射率が高いが、水滴は雪片や雹よりも非常に小さい。したがって後方散乱はこの二つの因子の両方に依存する。その大きさから、最も強い後方散乱は雹と大きい霰(固体の氷)から返ってくるが、非レイリー散乱(ミー散乱)が話を複雑にする。もう一つ強い散乱源として、サイズが大きく水により反射率も高くなった溶けかけの雪や濡れた霙がある。これらが存在する空域は、実際の降水量よりも非常に高い降水量があるように見えるため「ブライトバンド」と呼ばれる。雨は穏やかに後方散乱を起こし、その強さは雨滴が大きくなる(雷雨の場合など)ほど強くなり、小さくなる(霧や霧雨の場合など)ほど弱くなる。雪の後方散乱は比較的弱い。水平方向と鉛直方向の偏波の後方散乱を計測する二重偏波気象レーダーにより、二つの信号の比から形状についての情報を得ることができる。
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