レースにおける上がり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 06:17 UTC 版)
「上がり (競馬)」の記事における「レースにおける上がり」の解説
競馬のレースにおいてはゴールまで3ハロン (3⁄8マイル (600 m))ないし4ハロン (4⁄8マイル (800 m))の地点からペースアップすることが多いため、終盤3ハロンの走破タイムを上がり3ハロン、終盤4ハロンの走破タイムを上がり4ハロンと呼ぶ。 上がりのタイムはそのレースに出走した競走馬ごとに集計するものと、そのレース全体(それぞれの地点において先頭の馬を基準とする)として集計するものとがある。前者はその競走馬がレース終盤において示したパフォーマンスを、後者はレースそのものの内容を測る指標とされる。後者については、競馬場において着順掲示板に表示されることが多い。いわゆる「ラストスパート」、競馬においては「末脚」と呼ばれる能力を見る数値であり、ここでの1秒差は着差の6馬身に相当するとされる。 日本ではレースにおける、上がり3ハロンのタイムが重要視される(海外では計測しない国が多い)。特に芝の中距離から長距離における差し馬、追い込み馬には上がり3ハロンのタイムは重要視される要素で、これを見て馬の善し悪しを決める人も多い。かつては芝が現在ほど軽くなかったため一流の差し、追い込み馬でも上がり3ハロンはおよそ37秒台から35秒台であったが、1990代半ばを過ぎると芝の高速化が進み、およそ36秒台から34秒台を計測するようになっている。そして高速化が顕著になった近年では35秒台から33秒台、速い時には32秒台を記録するなど芝の高速化が顕著に数字に出てきている。また、直線が長い競馬場のほうが上がりが優秀なタイムが出やすい。ヨーロッパには直線の長いコースが多いが、日本はほとんどが直線の短いコースである。 なお、過去の馬と現在の馬との優劣を単純に上がり3ハロンのタイムによって決めることはできない。例えば、三冠馬のミスターシービーが1984年に上がり3ハロン33.7秒(推定)を計時したことがあり、これは現在でも優秀な数字ではあるが、優駿の中で特に傑出したタイムというわけではない。しかしかつての馬場の状況を考慮すれば、この記録は破格の好時計であった可能性がある。
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