ルマン式スタート
初期のルマン24時間で採用されていたスタート方式。スタートの合図とともに、ドライバーはメインストレートのメインスタンド側から、コースを横切ってピット側に置かれたマシンに向かって走り、マシンに乗り込んでスタートする。しかし、安全上の問題から、現在のルマンはほかの耐久レースと同じくローリングスタートになっている。2輸の耐久レースでは、シートベルトを締める必要がないので、まだルマン式スタートが使われている。また、スタート担当ではないもう1人のドライバーが走って、スタート担当ドライバーが既に乗り込んでいるマシンにタッチする、という変則ルマン方式もあり、ローカル耐久レースなどでよく採用されている。
ル・マン式
ル・マン式スタート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/27 08:35 UTC 版)

ル・マン式スタート(ル・マンしきスタート)とは、自動車・オートバイ等のレースにおけるスタート方式の一つ。スタートする際に出走車両はピットもしくはホームストレート前にグランドスタンドを向くように一列に並べられ、スタートの合図でドライバーまたはライダーが自分の出走車両に向かって[1][2]、グランドスタンド側からコースを横切って乗り込み[3]、スタートする方式[1]のことである。
自動車レースでの退潮
ル・マン24時間レースで長年伝統的に使われて来たことが名前の元になっているが、初回1923年のル・マン24時間レースでは通常のグリッド式スタンディングスタートであった[3]。
その後自動車の始動性、乗り込みやすさなどを評価する観点から採用されたが、シートベルトを装着しないでスタートするドライバーがいたり[3]、後方の車両が早く出て混乱する[3]など危険が多いことが知られていた。
1969年のル・マン24時間レースにおいてジャッキー・イクスがスタートの危険を避けるためにゆっくり歩いて乗り、シートポジションを確認し、シートベルトを装着し、精神的に落ち着き、他の44台が走り去った後に出発した[1][注釈 1]。この時も最初の周回中にジョン・ウルフ(John Woolfe)が乗るポルシェ・917の10号車がメゾン・ブランシュを曲がりきれずに土手に突っ込みジョン・ウルフが死亡する事故となっている[1]。
このことからル・マン24時間レースでも1971年のル・マン24時間レースから通常のローリングスタート[1][2]となり、その後はバイクレースでのみ使われるようになっている。
ただしその後も、「スタート前のセレモニー時に、グランドスタンドを向くようにマシンを一列に並べる」スタイルはル・マン24時間レースで引き続き採用されており、FIA 世界耐久選手権でも、2015年よりシリーズ全戦で同スタイルによるスタート前セレモニーを行う[2]。
注釈
- ^ 当時は「大芝居」と言われたが、本人にそのような意図はなかったという。
出典
参考文献
- ジャッキー・イクス『俺だけの運転テクニック』三推社 講談社 ISBN 4-06-107150-5
- 『ルマン 伝統と日本チームの戦い』グランプリ出版 ISBN 4-87687-161-2
ル・マン式スタート
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「スタンディングスタート」の記事における「ル・マン式スタート」の解説
スタンディングスタートの一種。ル・マン24時間レースのスタートに採用されたことに由来する。コースのイン側に車を並べ、ドライバーはコースのアウト側からスタートの合図とともに車まで走って乗り込みスタートする。 詳細は「ル・マン式スタート」を参照
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