ルイス・オルナ・ビスカーリ (Luis Horna Biscari , 1980年 9月14日 - )は、ペルー ・リマ 出身の男子プロテニス 選手。2008年全仏オープン 男子ダブルスで、パブロ・クエバス とペアを組んで優勝した選手である。ATPツアー でシングルス2勝、ダブルスで2008年全仏オープン を含む6勝を挙げた。自己最高ランキングはシングルス33位、ダブルス15位。赤土のクレーコートを最も得意にする選手。
来歴
オルナは鉱山技師の家庭に生まれ、少年時代は1995年全仏オープン 優勝者のトーマス・ムスター に憧れて育った。ジュニア時代の1995年 から男子テニス国別対抗戦デビスカップペルー代表選手に起用された彼は、4大大会 のジュニア部門で1997年全仏オープン ジュニア男子シングルス準優勝・ダブルス優勝、1997年ウィンブルドン選手権 ジュニアダブルス優勝などの戦績を出した。1998年 にプロ転向。選手層の薄いペルーのテニス界において、オルナはデビスカップ代表選手として不可欠な存在になったが、男子ツアーの決勝進出はプロ入りから6年後、2004年 7月のオランダ・オープンのダブルスだった。2005年 7月のオランダ・オープンのダブルスでツアー初優勝を達成。2006年 2月、メキシコ・オープン でシングルス初優勝を果たす。
デビスカップ2007 において、ペルー代表は初めての最上位カテゴリーぼワールドグループ昇格を決めた。ペルーのデビスカップ初参加は1968年であり、オルナがまだ15歳のジュニア選手だった1995年にはアメリカ・ゾーン・グループ2にいた。2000年から、ペルーは同ゾーンのグループ1に昇格する。2007年9月21日-23日にかけてワールドグループ・プレーオフがペルーの首都リマ で開かれ、ペルーはベラルーシを4勝1敗で破ってワールドグループ初昇格を決めた[1] 。オルナはシングルス2試合に勝利を収め、第2試合でウラジミール・ボルチコフ に競り勝った後、第4試合でマックス・ミルヌイ に6-4, 7-5, 4-6, 7-6で勝ち、この勝利でチームを初めてのワールドグループへと導いた。
2008年 、オルナは男子ツアーのダブルスで3勝を挙げた。年頭の1月にハイネケン・オープン でフアン・モナコ と組み、2月のアルゼンチン・オープン では同じアルゼンチンのアグスティン・カレリ と組んで優勝した。全仏オープン では初めてパブロ・クエバス と組み、準々決勝で第1シードのブライアン兄弟 を6-3, 5-7, 7-6で破る金星を挙げ、この勝利で波に乗った。初進出の決勝で、2人は第2シードのダニエル・ネスター /ネナド・ジモニッチ 組を6-2, 6-3のストレートで破った。こうして、オルナはオープン化後 (4大大会 にプロ選手の出場が解禁された、1968年 以後)、ペルー人 のテニス選手として最初のグランドスラム優勝者に輝いた。かつてアレックス・オルメド が1959年全豪選手権 と1959年ウィンブルドン選手権 で4大大会男子シングルスの年間2冠を獲得したことがあり、オルナの全仏男子ダブルス優勝は「オルメド以来49年ぶり」の快挙となる。
オルナは2009年11月にペルー・リマで開催されたチャレンジャー を最後に現役を引退した[2] 。
ATPツアー決勝進出結果
シングルス: 3回 (2勝1敗)
サーフェス別タイトル
ハード (0–1)
クレー (1-1)
芝 (0-0)
カーペット (0-0)
ダブルス: 11回 (6勝5敗)
結果
No.
決勝日
大会
サーフェス
パートナー
対戦相手
スコア
準優勝
1.
2004年7月18日
アメルスフォールト
クレー
ホセ・アカスソ
ヤロスラフ・レビンスキー ダビド・シュコッホ
0–6, 6-2, 5–7
準優勝
2.
2005年4月10日
カサブランカ
クレー
マルティン・ガルシア
フランティシェク・チェルマク レオシュ・フリードル
4–6, 3-6
準優勝
3.
2005年4月24日
ヒューストン
クレー
マルティン・ガルシア
ダニエル・ネスター マーク・ノールズ
3–6, 4–6
優勝
1.
2005年7月24日
アメルスフォールト
クレー
マルティン・ガルシア
フェルナンド・ゴンサレス ニコラス・マスー
6–4, 6-4
準優勝
4.
2006年9月17日
ブカレスト
クレー
マルティン・ガルシア
マリウシュ・フィルステンベルク マルチン・マトコフスキ
7–6(5), 6–7(5), [8–10]
優勝
2.
2006年10月1日
パレルモ
クレー
マルティン・ガルシア
マリウシュ・フィルステンベルク マルチン・マトコフスキ
7–6(1), 7–6(2)
優勝
3.
2007年7月29日
キッツビュール
クレー
ポティート・スタラーチェ
トマス・ベーレント クリストファー・カス
7–6(4), 7–6(5)
優勝
4.
2008年1月13日
オークランド
ハード
フアン・モナコ
グザビエ・マリス ユルゲン・メルツァー
6–4, 3–6, [10–7]
優勝
5.
2008年2月24日
ブエノスアイレス
クレー
アグスティン・カレリ
ヴェルナー・エシャウアー ピーター・ルクザック
6–0, 6–7(6), [10–2]
準優勝
5.
2008年3月2日
アカプルコ
クレー
アグスティン・カレリ
オリバー・マラチ ミハル・メルティナク
2–6, 7–6(3), [7–10]
優勝
6.
2008年6月7日
全仏オープン
クレー
パブロ・クエバス
ダニエル・ネスター ネナド・ジモニッチ
6–2, 6–3
4大大会シングルス成績
略語の説明
W
F
SF
QF
#R
RR
Q#
LQ
A
WG
Z#
PO
SF-B
S
G
NMS
NH
W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加 WG=デビスカップワールドグループ, Z#=デビスカップ地域ゾーン, PO=デビスカッププレーオフ, SF-B=オリンピック銅メダル, S=オリンピック銀メダル, G=オリンピック金メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, NH=開催なし.
脚注
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、ルイス・オルナ に関連するカテゴリがあります。