リーの任期の延長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/29 13:53 UTC 版)
「1950年の国際連合事務総長の選出」の記事における「リーの任期の延長」の解説
10月30日の安全保障理事会で、ソ連は総会に事務総長の任命を延期するよう求める決議案を提出した。ソ連の提案は1-7-3で否決された。その後ソ連は、総会での任期延長は「国連憲章を回避するための人為的な工作」であるとして、1951年2月2日にトリグブ・リーの1期目の任期が終了した後は、リーを事務総長として認めないことを公式に発表した。 総会では、10月31日と11月1日に事務総長の任命が行われた。アメリカのオースティン大使は、リーの「朝鮮半島への侵略に対抗する姿勢」を称賛し、ソ連のビシンスキー外相は、「今回の投票は国連をあざ笑うものだ」と述べた。総会では、ソ連側の質問延期案を37-9-11で否決した。また、「事務総長の任命プロセスを研究し、解決策を講じる」というイラクの提案は35-15-7で否決された。 最後に総会は、リーの任期を3年延長して1954年2月2日までとすることを46-5-8で採択した。反対票を投じたのはソビエト圏の5か国だけだった。アラブの6か国は、パレスチナに関してリーが、イスラエルのパレスチナ人に対する行動を北朝鮮の韓国侵攻になぞらえていたため、投票を棄権した。中国も投票を棄権し、オーストラリアは国連憲章を無視した違法な投票であるとして棄権した。
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