リプレイ本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 04:03 UTC 版)
「テーブルトークRPG」の記事における「リプレイ本」の解説
日本のテーブルトークRPG市場において特徴的なものに、「リプレイ本」といわれる商品の存在がある。 リプレイとはテーブルトークRPGのプレイ風景を記録したものである。一般的にはプレイヤーキャラクターとゲームマスターの発言の羅列という戯曲形式で記述される。リプレイは元々は、ゲームのルールをわかりやすく説明するためにルールブックに10数行程度で書かれるものでしかなかった。これは行為判定などが行われている様子を戯曲形式にして抜き出したものにすぎなかったが、日本のテーブルトークRPGの黎明期では全く未知の遊びであったテーブルトークRPGの紹介を行うためにこのリプレイという形式が好んで使われた。ウォー・シミュレーションゲーム雑誌やパソコンゲーム雑誌では1回のゲームプレイの最初から最後までを数ページにわたるリプレイとして掲載することで、テーブルトークRPGの実態を紹介していった。さらには、コンプティーク誌で1986年に連載された『ロードス島戦記』など、数回のセッションにわたるキャンペーンプレイを全てリプレイとして掲載するという試みも行なわれた。リプレイが長文化するに従い、書き手は読み手に対して飽きさせないようにする工夫や単なる記録以上の「読み物」が求められるようになり、リプレイの文章には様々な演出や編集が行われるようになった。こうして日本独自の文化が誕生したのである。 リプレイ文化はテーブルトークRPGの黎明期こそゲーム雑誌上の記事でしか見られなかったが、『ロードス島戦記』や『ソードワールドRPG』がメディアミックス展開していくのと同時にリプレイも単品の商品として文庫本の形式で売り出されるようになる。その結果、「リプレイ本」はテーブルトークRPGをプレイしていない人の中にもライトノベルの一種として受け入れられるようになり、様々なリプレイ本が出版されていくようになっていったのである。ここに至り、ゲームの紹介として始まったリプレイが独立した一個の作品として売り出されるようになった。結果、ゲームはプレイしないがリプレイ本は読んでいるリプレイ読者という層が生み出されるようにもなった。リプレイ本は2011年現在においてもライトノベルの一つとして出版され続けており、ライトノベル市場において独自の地位を築いている。
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