リバウンド効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/13 16:46 UTC 版)
「ジェボンズのパラドックス」の記事における「リバウンド効果」の解説
詳細は「en:Rebound effect (conservation)」を参照 ジェボンズのパラドックスを理解するための一つの方法として、資源(例えば燃料)の利用効率性の向上は、その資源によって得られるもの(例えば仕事)から測ったその資源価格(その資源の実効価格)の下落をもたらす点に注目したい。一般的に、財やサービスの価格が下がると需要は増える(参考:需要と供給、需要曲線)。従って、仕事の価格が低くなるとより多くの仕事が 購入 され、間接的により多くの燃料が購入される(つまり燃料需要が増える)。このような需要増は「リバウンド効果(rebound effect)」と呼ばれている。需要の増加は、効率性の向上による需要低下分を埋め合わせるほど大きい場合もあれば小さい場合もあるが、ジェボンズのパラドックスは、リバウンド効果が100 %以上、すなわち効率性による需要減少以上に需要の増加が生まれた場合に起こる。100 %を超えた分はbackfire(バックファイア) と呼ばれることもある。 単純なケース:財が燃料だけの完全競争市場で、燃料価格だけが仕事の価格の決定要因であるとする。燃料価格が一定のまま、燃料の仕事への転換効率が2倍になると、仕事の実効価格は半分になる。つまり同じ金額で2倍の仕事を購入できることになる。このとき、もし購入される仕事の量が2倍以上(すなわち仕事の需要が弾力的で、価格弾力性が1より大きい)であれば、使用される燃料の数量は効率が上がる前と比較して増えこそすれ減りはしない。しかしもし仕事の需要が非弾力的であれば、購入される仕事の量は2倍以下となり使用燃料量は減る。 完全解析では、生産物(仕事)は1種以上(例:燃料、労働力、機械)の財を使用し、それ以外の要因(例:非競合的な市場構造)も仕事の価格に影響することを考慮しなければならない。こうして燃料効率以外の要因を考慮にいれるほど燃料効率の仕事価格への影響は減少し、リバウンド効果は減衰されジェボンズのパラドックスは起こりにくくなる。さらに燃料需要の変化は燃料価格に影響を及ぼし、仕事の実効価格にも影響する。
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