リテラシーを軸とした展望
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 15:28 UTC 版)
「神経言語学的アプローチ」の記事における「リテラシーを軸とした展望」の解説
リテラシーは通常、言葉を使って自分を取り巻く環境を理解したり解釈したりする能力と解されている。そのリテラシーを外国語教育の軸に据えることにより、教師も外国語教育とは知識よりも能力を発達させることだと考えることができるようになる。さらにそれは、読み書きよりも先にまず話す能力を育成すべきだということを意味し、この点は最近の神経教育学の研究(Hucet Smith, 2008)によっても裏付けられている。読解のテキストも作文のテーマも、最初にオーラルで練習したのと同じテーマを扱うものとし、オーラルと同じ言語パターンを読み書きでも使わせるようにする。読み書きも直接外国語で教え、翻訳は行わない。教え方としては、リテラシーを発達させるために母語教育で用いられる方法と共通点も多いが、そこには若干の修正が必要である。例えば読んだり書いたりする前の準備段階として、オーラルの練習をより丁寧に行うことが重要になるだろう。 母語で読み書きを習う場合に比べて、外国語でリテラシーを養成する際は生徒の内文法ははるかに未発達だという点を考えれば、それは避けられないプロセスである(Germain et Netten, 2005, 2012, 2013b)。またリテラシーを軸に据えることにより、外文法を教える際にも、まずオーラルでそれを使った後で、現実の状況に即した形で取り上げる(読解テキストの中に出てくる文法事項を観察し、自分で文章を書く時にそれを使う)ことが可能になる。
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