リタードフレアモード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 02:41 UTC 版)
「トルコ航空1951便墜落事故」の記事における「リタードフレアモード」の解説
当該B737-800型機のオートスロットル機構 (A/T) には、A/P システムと協調動作する「リタード フレア モード (Retard Flare Mode)」と呼ばれる機能が備えられている。これは着陸接地寸前にスロットルをアイドルにして、さらに僅かに機首を上げるフレア操作を自動で行うもので、予めこのモードをセットしておくことにより、1) 電波高度計指示値が27フィート (8.2 m)以下、2) フラップが12.5度以上展開されている、3) オートスロットルがスピードモードとなっており、かつ、4) 目標高度をセットしてそれに向かって降下 / 上昇あるいは高度維持する設定がなされている状態ではない、といった条件が揃うと自動的に起動する。 リタード フレア モード状態では、スロットルは自動でアイドル位置に移動する。パイロットはスロットルを手動で強制操作することはできるが、手を放すと再びアイドルに戻るようになっている。またこのモードが起動すると PFD 上に "RETARD" と表示される。 ローカライザをキャプチャーした段階で、機体は滑走路延長線上に位置し、機首も滑走路に正対した状態だったが、高度が高すぎてグライドスロープの上側に外れていた。これは、管制によるコース誘導が、公示された標準的コースよりもややショートカット気味の経路であったため、標準より滑走路に近い位置で滑走路延長線上に達したためだった。このことにより本来なら高度2,000フィート (610 m)のまま飛行しながらグライドスロープを下側からキャプチャーするはずだったものが、グライドスロープの上側に位置することになったため、さらに降下しながらキャプチャーをしなくてはならなかった。副操縦士はバーチカルスピード (V/S) モードで目標高度をセットし直し、最終的には毎分1,400フィート (430 m)で降下を行った。このとき機長と副操縦士両方の PFD には A/T がリタードフレアモードになったことを示す “RETARD” の表示が現れ、スロットルレバーが自動的にアイドル位置に移動した。
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