リエルに対する再評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/18 14:12 UTC 版)
「ルイ・リエル」の記事における「リエルに対する再評価」の解説
従前はルイ・リエルについては、特にメティやフランス系以外のコミュニティで、狂気の反逆者としての認識が一般であったが、21世紀になって、こうした見方は弱まっている。人種主義的な政府と対峙するために人々のために立ち上がった英雄として捉える見方もあり、またその狂気に懐疑的な者は、リエルを絶対的に尊敬すべき人物と見る場合もある。 リエルには謎の部分も多いが、歴史家 J.M.S. Careless は、リエルは殺人者と英雄の両方であった可能性がある、との立場をとる。リエルの性急なスコット処刑によって彼の支持者たちの運命は劇的に変わってしまったともいえる。例えば、レッドリヴァーの反乱直後に、連邦政府はメティから土地を奪うために投機家や非メティの開拓を促進する政策を取り始めた。仮にスコットの処刑がなければ、連邦政府はこの政策をもっと厳格なものとし、メティとの良好な関係に配意したものとしていたかもしれない。メティ学者には、リエルとはメティよりも非メティにとってより重要な人物であったと指摘する者もいるが、これはたいていの非メティが関心を持つ唯一のメティがリエルであるという理由であろう。歴史家のトーマス・フラナガンは、他の多数の者も認めるとおり、ノースウェストの反乱におけるリエル支持者達とカルト教団との間にある種の共通点があることを指摘している。また、リエルに革命家のイメージを見て取る者もおり、1960年代のケベック州のテロリスト集団、ケベック解放戦線では、その小組織の一つにリエルの名を当てている。
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