ランス・パリッシュとは? わかりやすく解説

ランス・パリッシュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/25 14:49 UTC 版)

ランス・パリッシュ
Lance Parrish
AA級エリー・シーウルブズ監督時代
(2014年4月23日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国
出身地 ペンシルベニア州チャールトン
生年月日 (1956-06-15) 1956年6月15日(68歳)
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 1974年 ドラフト1巡目(全体16位)でデトロイト・タイガースから指名
初出場 1977年9月5日 ボルチモア・オリオールズ
最終出場 1995年9月23日 ボストン・レッドソックス
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ランス・マイケル・パリッシュLance Michael Parrish , 1956年6月15日 - )は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州チャールトン出身の元プロ野球選手捕手)。右投右打。愛称はビッグ・ホイール(Big Wheel)。

経歴

デトロイト・タイガース時代
(1983年)

1977年9月5日デトロイト・タイガースでメジャーデビュー。1978年は85試合に出場して14本塁打を打ち、長打力をアピール。 1979年にはレギュラーに定着して143試合に出場し、打率.276、19本塁打、65打点の活躍でタイガース不動の正捕手、そして主力打者となる。 1980年には24本塁打、82打点で初のオールスター出場を果たし、シルバースラッガー賞も受賞。

1982年から1986年にかけて毎年オールスターに出場し、1983年から1985年にかけては3年連続でゴールドグラブ賞を受賞。 1984年にはチームがワールドシリーズ制覇。この年も打率こそ低かったが、本塁打33(自己最多)、98打点と活躍。 1986年は故障で91試合の出場にとどまったが、オールスターで先発四番を務めた。

1986年オフにフリーエージェント(FA)でフィラデルフィア・フィリーズに移籍。 以後は故障がちとなって出場数も減った。フィリーズ移籍時には大きく期待されたが不本意な成績に終わり、1988年にはオールスターに出場したものも打率.215と低迷し、1989年にはカリフォルニア・エンゼルスに移籍。 1990年こそ24本塁打を記録したが、フィリーズ移籍以後で打率が.250を越えたのも、20本塁打以上を打ったのもこの年のみであった。 その後、1992年途中にシアトル・マリナーズに移籍。 1993年ロサンゼルス・ドジャースに移籍するが、スプリング・トレーニングで新人マイク・ピアッツァとの争いに敗れて出場のないままクリーブランド・インディアンスに移籍。 1994年ピッツバーグ・パイレーツ1995年トロント・ブルージェイズでプレイして、この年限りで現役を引退した。

現役引退後はカンザスシティ・ロイヤルズの捕手インストラクター(1996年)、ドジャースのマイナー(AA級)コーチ(1997年 - 1998年)、 タイガースの三塁ベースコーチ・ブルペンコーチ(1999年 - 2001年)を務め、一時解説者を務めた後、かつてのチームメイト、アラン・トランメル監督の下、2003年にタイガースにコーチとして復帰。 2006年からはトランメル退任に伴ってドジャースのマイナーチームの監督を務めている。

人物

強肩強打の捕手として活躍。捕手としての通算299本塁打はMLB史上6位[1]2015年終了時点、以下同様)、通算3,113塁打も捕手に限れば歴代10位、打点1,070も捕手に限れば歴代11位である。また、通算1,527三振はMLB歴代38位。

前述のように強肩で知られており、1983~1985年にかけてゴールドグラブ賞も受賞しているが、この3年間を前後にパスボールが非常に多いことでも有名だった。現役生活19年間で喫したパスボールは192個で、MLB歴代1位という不名誉な記録も持っている。

長男デーブは捕手で、2000年ドラフト会議ニューヨーク・ヤンキースから1巡目で指名され、2008年までマイナーでプレイしていた。2004年5月にはホルヘ・ポサダ鼻骨骨折で戦線を離れた際に二番手捕手ジョン・フラハーティの控えとして背番号57を与えられヤンキースでロースター入りを果たしたが試合出場を果たせないまま1週間足らずでポサダが戦列復帰した[2][3]。次男マットは外野手、投手としてタイガースのマイナーでプレイしていた。いずれも、メジャーデビューは果たせていない。

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
1977 DET 12 51 46 10 9 2 0 3 20 7 0 0 0 0 5 0 0 12 2 .196 .275 .435 .710
1978 85 304 288 37 63 11 3 14 122 41 0 0 1 1 11 0 3 71 8 .219 .254 .424 .678
1979 143 548 493 65 136 26 3 19 225 65 6 7 3 1 49 2 2 105 15 .276 .343 .456 .799
1980 144 592 553 79 158 34 6 24 276 82 6 4 2 3 31 3 3 109 24 .286 .325 .499 .824
1981 96 384 348 39 85 18 2 10 137 46 2 3 1 1 34 6 0 52 16 .244 .311 .394 .705
1982 133 529 486 75 138 19 2 32 257 87 3 4 0 2 40 5 1 99 5 .284 .338 .529 .867
1983 155 663 605 80 163 42 3 27 292 114 1 3 0 13 44 7 1 106 21 .269 .314 .483 .797
1984 147 629 578 75 137 16 2 33 256 98 2 3 2 6 41 6 2 120 12 .237 .287 .443 .730
1985 140 600 549 64 150 27 1 28 263 98 2 6 3 5 41 5 2 90 10 .273 .323 .479 .802
1986 91 374 327 53 84 6 1 22 158 62 0 0 1 3 38 3 5 83 3 .257 .340 .483 .823
1987 PHI 130 518 466 42 114 21 0 17 186 67 0 1 1 3 47 2 1 104 23 .245 .313 .399 .712
1988 123 478 424 44 91 17 2 15 157 60 0 0 0 5 47 7 2 93 11 .215 .293 .370 .663
1989 CAL 124 482 433 48 103 12 1 17 168 50 1 1 1 4 42 6 2 104 10 .238 .306 .388 .694
1990 133 523 470 54 126 14 0 24 212 70 2 2 0 2 46 4 5 107 12 .268 .338 .451 .789
1991 119 445 402 38 87 12 0 19 156 51 0 1 0 3 35 2 5 117 7 .216 .285 .388 .673
1992 24 90 83 7 19 2 0 4 33 11 0 0 1 1 5 1 0 22 1 .229 .270 .398 .668
SEA 69 214 192 19 45 11 1 8 82 21 1 1 0 2 19 2 1 48 6 .234 .304 .427 .731
'92計 93 304 275 26 64 13 1 12 115 32 1 1 1 3 24 3 1 70 7 .233 .294 .418 .712
1993 CLE 10 24 20 2 4 1 0 1 8 2 1 0 0 0 4 0 0 5 2 .200 .333 .400 .733
1994 PIT 40 147 126 10 34 5 0 3 48 16 1 1 1 1 18 1 1 28 5 .270 .363 .381 .744
1995 TOR 70 202 178 15 36 9 0 4 57 22 0 0 6 2 15 0 1 52 4 .202 .265 .320 .585
MLB:19年 1988 7797 7067 856 1782 305 27 324 3113 1070 28 37 23 58 612 62 37 1527 197 .252 .313 .440 .753
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



捕手(C)






















1977 DET 12 76 6 0 0 1.000 1 7 2 5 .714
1978 79 353 39 5 5 .987 5 54 30 24 .444
1979 142 707 79 9 10 .989 21 126 69 57 .452
1980 121 557 66 6 8 .990 17 94 58 36 .383
1981 90 407 40 3 6 .993 7 75 42 33 .440
1982 132 627 76 8 8 .989 11 100 54 46 .460
1983 131 695 73 4 8 .995 10 111 57 54 .486
1984 127 720 67 7 11 .991 11 82 44 38 .463
1985 120 695 53 5 9 .993 8 97 60 37 .381
1986 85 483 48 6 5 .989 8 70 39 31 .443
1987 PHI 127 724 66 9 1 .989 15 196 142 54 .276
1988 117 639 73 9 11 .988 12 176 126 50 .284
1989 CAL 122 638 63 5 7 .993 12 103 74 29 .282
1990 131 760 88 6 15 .993 12 117 62 55 .470
1991 111 658 57 2 11 .997 19 92 53 39 .424
1992 22 107 8 3 2 .975 1 32 22 10 .313
SEA 34 183 12 1 4 .995 3 50 37 13 .260
'92計 56 290 20 4 6 .987 4 82 59 23 .280
1993 CLE 10 47 10 3 1 .950 3 18 12 6 .333
1994 PIT 38 225 15 3 4 .988 7 33 22 11 .333
1995 TOR 67 346 41 0 7 1.000 9 65 38 27 .415
MLB 1818 9647 980 94 133 .991 192 1698 1043 655 .386
一塁守備


一塁(1B)












1980 DET 5 42 1 1 7 .977
1988 PHI 1 1 0 0 1 1.000
1990 CAL 4 34 2 0 6 1.000
1991 3 12 0 0 0 1.000
1992 SEA 16 93 3 2 9 .980
1994 PIT 1 3 0 1 0 .750
MLB 30 185 6 4 23 .979
外野守備


左翼(LF) 右翼(RF)
























1980 DET 1 1 0 0 0 1.000 4 6 0 0 0 1.000
1982 1 0 0 0 0 ---- -
MLB 2 1 0 0 0 1.000 4 6 0 0 0 1.000
  • 各年度の太字はリーグ最高、赤太字はMLB記録。
  • 各年度の太字年ゴールドグラブ賞受賞

表彰

脚注

  1. ^ 捕手以外の起用で25本塁打を記録している
  2. ^ David Parrish - BR Bullpen”. www.baseball-reference.com. 2025年2月23日閲覧。
  3. ^ なお、同年ヤンキースで捕手のポジションについた選手はポサダ、フラハーティの他には9月にメジャー初出場を果たしたディオナー・ナバーロだけである。[1]

関連項目

外部リンク





固有名詞の分類

アメリカ合衆国の野球選手 ジム・ブラウワー  ベニー・アグバヤニ  ランス・パリッシュ  ジミー・ウィリアム  デビッド・フリーズ
クリーブランド・インディアンスの選手 ホセ・ベラス  ジム・ブラウワー  ランス・パリッシュ  ジョン・デニー  フィル・ニークロ
フィラデルフィア・フィリーズの選手 バッキー・ウォルターズ  シクスト・レスカーノ  ランス・パリッシュ  ジョン・デニー  ジム・コンスタンティー
ピッツバーグ・パイレーツの選手 ミゲル・バティスタ  ウェイト・ホイト  ランス・パリッシュ  バリー・ボンズ  ヘイニー・マナシュ
デトロイト・タイガースの選手 トニー・クラーク  ウェイト・ホイト  ランス・パリッシュ  ブレナン・ボッシュ  マグリオ・オルドニェス
トロント・ブルージェイズの選手 T.J.ビーム  ミゲル・バティスタ  ランス・パリッシュ  マット・ホワイトサイド  ロブ・デューシー
ロサンゼルス・エンゼルス及びその前身球団の選手 カーネイ・ランスフォード  リッチ・モンテレオーネ  ランス・パリッシュ  マイサー・イズトゥリス  ジョシュ・ポール
シアトル・マリナーズの選手 ミゲル・バティスタ  ギャレット・オルソン  ランス・パリッシュ  ロブ・デューシー  ジェフ・クレメント

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