ラリーの証言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 14:07 UTC 版)
両親を亡くしたミス・ラリーは、職を求めてロンドンに出てくる。だが頼る当てはなく、雇ってくれるところも見つからず、望みを失って自死を考えるほど追い詰められていた。そんなおりに、ふと出会ったグレッグ教授という紳士は、彼女を住み込み家庭教師として雇う。 教授は、書斎の抽斗から「黒い石印」を取り出して、ラリーに見せる。教授の研究テーマであり、この3つは絡み合っているという。 村で何件かの悲劇的事件が起こった 15年前のある日、ある丘の石灰岩に、赤い文字が記されていた グレッグ教授が持っている黒い石印は少なくとも4000年以上前に作られた物で、2.と同じ文字が刻まれている 教授は長期休暇を取ってウェールズの田舎に行くと言い出し、ラリーたちも同行する。ラリーが仮寓の書斎で見つけた本には、妙な文章が記されていた。曰く、奇怪な民族がおり、彼らは文字が刻まれた石を崇拝するのだという。そしてその文字は、教授が持っている黒い石印の文字と同じものであるらしい。 教授は、手伝いのために男手が欲しいと言い出し、クラドックという少年を雇う。クラドック少年は、頭が鈍く、しばしば癇癪の発作を起こすが、教授は彼の存在が嬉しそうに振舞う。ラリーは、恩人たる教授が、気の毒な子供の苦しみを喜んでいるらしいことに、心を痛める。 あるとき邸内で、胸像が動かされていた。踏み台は見当たらず、誰がいつどうやって動かしたのかわからない。女中は、胸像が動かされた直後に、悪臭と粘液の痕跡があったことを証言する。 教授が出かけて、翌朝になっても戻って来ない。爺やは、ラリーに手紙を渡す。グレッグが渡していったもので、期限までに戻って来なかった場合にラリーに渡すように言い遣っていたものだという。ラリーは封を開けて読み始め、教授を襲った出来事を理解した。ラリーは捜索に出かけてグレッグ教授の遺留品を見つけるが、弁護士は教授は海に落ちて遺体は流れて行ったのだろうと結論付け、遺書は無視される。
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