ユール・ゴート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/08 03:20 UTC 版)
もともとは、北欧神話の神トールの車を引いた2頭のヤギにちなむ。トールはユールの時期にこの2頭を屠り、他の神々にふるまった。翌日ヤギを殺したことを後悔したトールは、ミョルニルでヤギを復活させた。北欧では、ユール・ゴートは目に見えない動物で、クリスマスの時期直前の町を訪れ、すべての準備ができているかを確認する。元々は、吉凶の双方をもたらすとされる、日本のナマハゲのような存在であり、サンタクロースとは対照的に、ひとから贈り物をねだる存在でもあった。フィンランドでは、子供を脅かす醜い生き物とされ、家庭では男性がこのゴート(フィンランド語ではヨウルプッキ)に扮して子供を脅かす役目を負った。スウェーデン語ではユールボック、ノルウェー語ではユールブックという。キリスト教と同化するにつれ、プレゼントの運び手、後にユールトムテ(ユールトムテン)のそりを引く役目となった。また、ワラで作ったこのヤギを、クリスマスのデコレーションとしたりもする。巨大なユール・ゴートが、町中に飾られることもある。 また、ノルウェーの田舎と、アメリカのノルウェー人居住区域のクリスマス仮装大会もユールブックと呼ばれる。子どもたちの格好は、ハロウィーンに仮装してお菓子をねだる子供のそれに似ている。クリスマス道化(Christmas Fooling)とも呼ばれる。ノルウェーでは他にも、若者が山羊の扮装で家から家に行って、簡単なお芝居をし、飲み物や食べ物をもらうことがある。また、ユールトムテもユール・ゴートが起源といわれる。
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