モデルの予測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 08:42 UTC 版)
このモデルは、輸出促進産業に特殊的な生産要素を持つ経済主体の所得(その産業に特殊的な生産要素の限界生産物価値)は増加し、輸入競争産業に特殊的な生産要素を持つ経済主体の所得は減少することを予測する。労働者の実質所得については、労働者の効用関数を特定しない限り明確な結論は得ることができない。このような実質賃金に対する不明瞭な影響は「新古典派的曖昧さ(英: The neoclassical ambiguity)」と呼ばれる。 リカード・モデルでは貿易によってすべての経済主体が利益を得るという結果が得られたが、特殊要素モデルでは貿易によって所得格差が拡大することが予測される。これによって国内に貿易に反対する人と賛成する人が存在する理由を説明できる。 特殊要素モデルに動学的な側面を加え、産業特殊的な生産要素が産業間で移動できるように仮定を緩めることもできる。このとき、特殊要素モデルはヘクシャー=オリーン・モデルとなる。この意味で、特殊要素モデルはヘクシャー=オリーン・モデルの短期版と言える。
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