メモリと変数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/16 15:32 UTC 版)
35s は 30KB のユーザーメモリを提供する。ユーザーメモリは、データ、格納された方程式、そしてプログラムによって共用される。複素数と3要素までのベクトルは1つの値として格納することができるので、各変数は37バイトを占有する。型情報と3つの浮動小数点数のためには十分な大きさである。 26個のアルファベットで命名された変数と6つの統計レジスタは、メモリ上に永久に割当てられる。メモリ空間の余りは、間接アクセスしかできない801個までの変数によって占められる可能性がある。あらゆる変数への間接アクセスは、ポインタとして I 変数あるいは J 変数に連番(0~800)を格納し、(I) あるいは (J) によって変数にアクセスすることによって実現される。間接変数は自動的にメモリ上に割当てられる。1つの間接変数に0ではない値を格納することは、その間接変数までの連番を持つ全ての変数の割当という結果になる(例えば、間接変数を1つも使っていない状態で100番の間接変数に0ではない値を代入すると、0~100番の間接変数が全て割り当てられてしまう)。逆に最も大きな連番で割り当てられた間接変数に0を格納することは、0ではない値に遭遇するまで連番を下るように間接変数の割当を解除していくという結果になる(例えば、50番と100番の間接変数に0ではない数値が入っており、51番~99番の間接変数は0が入っているとする。その場合、100番の間接変数に0を代入すると、51番から100番の間接変数の割当が解除される)。割当てられていない変数の読出しを試みることは、エラーという結果になる。それゆえに必要な番号よりも大きな番号の変数に0ではない値を格納することが一般的な実践方法である。それよりも小さな番号の全ての変数がその値に関わらず利用可能にされることを保証するためである。永久に割当てられる変数と統計レジスタは、-1 から -32 までの負の連番を使って間接的にアクセスされることもできる。 この電卓は41の数学定数と物理定数を提供する。それらは CONST で表示され、スクロールして選択される。12個の2値フラグが利用できる。各フラグはこの電卓の動作を決定するためにユーザーによって設定される。それらの中の5つはあらゆる目的のために使われる。 格納された方程式は、各文字毎に1バイトを使用し、1つの方程式に3バイトのオーバーヘッドが必要である。 プログラム1ステップは3バイトを使用する。前述のように値あるいは方程式を指定するステップはさらにメモリを使う。 使用中あるいは利用可能なメモリの量は、ユーザによって容易に確認できる。しかし、プログラムからは確認できない。ユーザーは CLVARx を使って、指定した番号より上の全ての間接変数をクリアすることができる。
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