ミクロの世界
水の分子は1/1,000万cm
巨大な(マクロの)世界に対して、宇宙を構成する物質の大きさ――ミクロの世界をのぞいてみましょう。私たちの星・地球はほとんどを水(海)におおわれています。その水自体も非常にたくさんの分子で構成されているのです。1辺が1cmの立方の体積が1cc。これを10億個に分割すると0.000000001cc(1/10億cc)となりますが、この微量の水でさえ、およそ350兆もの分子(H2O)で構成されています。この水の分子の大きさは、数オングストロームから10オングストロームです。1オングストロームとは、cmであらわわすと1/1億cm。つまり、10オングストロームで1/1,000万cmになります。
分子の大きさはコンパクトディスクの1/1億
これをわかりやすくするために、12オングストロームという大きさを考えてみます。12オングストロームを、1億倍すると12億オングストロームで、12cmの大きさになります。これはコンパクトディスクの大きさです。このコンパクトディスクを水の分子の大きさと見立てて、もう一度1億倍してみます。12cmが12億cm、つまり1万2,000kmという大きさになりました。地球の直径が1万3,000kmですから、一回り小さめの地球を想像してください。水の分子とコンパクトディスクの大きさの割合は、コンパクトディスクと地球ぐらいの割合なのです。
ミクロの世界を研究する素粒子物理学
水の分子は、水素と酸素の原子に分かれ、原子はさらに原子核と数個の電子に分かれます。原子の直径は1オングストロームで1/1億cm、原子核の直径はそのさらに1/10万で、1/10兆cmです。原子核と電子の距離は、原子核の大きさの約5万倍とされています。もう想像もつかない世界ですが、もう一度コンパクトディスクでたとえてみると、原子核を12cmのコンパクトディスクとして地面に置くと、6kmはなれたところを電子が回っていることになります。そして原子核は、さらに陽子と中性子に分かれます。陽子や中性子もクォークという物質で形成され、陽子と中性子は中間子で、クォーク同士はグルーオンという物質で結びつけられていることがわかっています。これら原子の中のミクロな物質のふるまいを研究するのが素粒子物理学です。
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