マルチフェロイックな物質とは? わかりやすく解説

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マルチフェロイック物質

読み方:マルチフェロイックぶっしつ
別名:マルチフェロイズムを示す物質マルチフェロイック性を示す物質、マルチフェロイックな物質、マルチフェロイックマテリアルマルチフェロイックス
英語:magnetoelectric materialsmultiferroics

同時に複数強的秩序状態を備え物質総称。特に強磁性強誘電性併せ持った物質を指すことが多い。

いくつかの物質は、粒子結晶格子秩序化によって強磁性強誘電性強弾性、といった特性(フェロイック)を持つことがあるとりわけ強磁性強誘電性電子デバイス記憶媒体メモリ)などに応用されており、産業デバイス分野などにおいて重要な素材となっている。

従来のフェロイック物質は、単一特性を持つのみだったが、これらの特性複数同時に持つマルチフェロイック物質が実現されれば、より高度なデバイス開発につながると期待されている。

科学技術振興機構JSTによれば強磁性強誘電性併せ持つマルチフェロイック物質は、「電場電圧)により磁石強度制御でき、また、磁場によっても電気分極強度制御できるとい画期的な機能持った物質」になるという。(JSTトピックスより)

米国メリーランド大学研究チーム2000年代前半研究においてマルチフェロイック物質をいち早く発見している。ただし、このとき発見されたマルチフェロイック物質はマイナス130度という極端な環境でのみマルチフェロイックの特性示した

2008年科学技術振興機構JST)は室温強磁性強誘電性特性同時に示すマルチフェロイック物質を開発した発表している。JSTはこの発見によって1つセル複数の値を記憶できる多値メモリ、あるいはさらに画期的なデバイス開発期待できるとしている。

日本の物理学者十倉好紀もマルチフェロイック物質の代表的な研究者一人として知られている。十倉好紀2014年論文新しいマルチフェロイック物質に関する先駆的研究」によってトムソン・ロイター引用栄誉賞選出され、これによってノーベル賞候補目されることになった

関連サイト
室温で働く強磁性・強誘電性物質を開発 - 科学技術振興機構報 第570号(科学技術振興機構2008年9月30日
2014年の「トムソン・ロイター引用栄誉賞」(ノーベル賞受賞者予測)を発表。理化学研究所の十倉好紀氏が再受賞 - トムソン・ロイター プレスリリース 2014年9月25日日本時間
十倉好紀 博士にトムソン・ロイター引用栄誉賞 - JSTトピックス 2014年9月25日



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