マット・ステアーズとは? わかりやすく解説

マット・ステアーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/19 06:56 UTC 版)

マット・ステアーズ
Matt Stairs
ワシントン・ナショナルズ時代
(2011年5月20日)
基本情報
国籍 カナダ
出身地 ニューブランズウィック州セントジョン
生年月日 (1968-02-27) 1968年2月27日(57歳)
身長
体重
5' 9" =約175.3 cm
222 lb =約100.7 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手一塁手指名打者
プロ入り 1989年 アマチュアFA
初出場 MLB / 1992年5月29日
NPB / 1993年6月15日
最終出場 MLB / 2011年7月22日
NPB / 1993年10月18日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴
  • フィラデルフィア・フィリーズ (2017)
  • サンディエゴ・パドレス (2018)
国際大会
代表チーム カナダ
WBC 2006年2009年
殿堂表彰者
選出年 2015年

マシュー・ウェイド・ステアーズMatthew Wade Stairs, 1968年2月27日 - )は、カナダ連邦ニューブランズウィック州セントジョン出身の元プロ野球選手外野手)。野球指導者。右投左打。

MLBにおける代打通算本塁打記録保持者(23本)。

経歴

プロ入り前

1988年カナダ代表の選手としてソウルオリンピックに出場した。

プロ入りとエクスポズ時代

1989年モントリオール・エクスポズと契約を結んだ。

1992年5月29日のシンシナティ・レッズ戦でメジャーデビュー。

1993年はエクスポズで6試合に出場した。

中日時代

1993年シーズン途中の6月からNPB中日ドラゴンズでプレー。クリーンナップを務めるも1年限りで退団。中日在籍時代は振るわなかったものの、当時の同僚・落合博満は「ステアーズはいずれいいバッターになる」と彼の才能を認めていた。また、ステアーズは逆に、当時の落合や今中慎二などを見て、日本人選手がいずれメジャーで活躍する日が必ず来ると確信を持っていたという。中日時代のある日、雨で試合が中断してしまい、ファンを沸かせようと、泥まみれのベースにヘッドスライディングを決めたこともあった。結局その年限りで中日を退団した。

中日では主に外野手であったが、メジャー・マイナーでこの後も一度も守ることのなかった[1][2]三塁手を中日では2試合守っている。しかし、守備機会6で3失策するなど(守備率.500)、惨憺たる結果に終わっている。

レッドソックス時代

その後、エクスポス傘下に復帰したが、1994年の開幕前にボストン・レッドソックストレードされた。この年はAA級ニューブリテン・レッドソックスでシーズンを終えた。

1995年は、AAA級ポータケット・レッドソックスで一定の成績を残してメジャーに再び昇格する。しかし、シーズン終了後に自由契約となった。

アスレチックス時代

その後、オークランド・アスレチックスと契約し、1996年から頭角を現した。

1999年には、38本塁打、102打点を記録した。

2000年に自由契約となった。

カブス時代

2001年は、シカゴ・カブスと契約を結び、前半戦はフレッド・マグリフが加入するまで正一塁手としてプレーした。オフに自由契約となった。

ブルワーズ時代

2001年オフにミルウォーキー・ブルワーズと契約を結んだ。

2002年は、16本塁打こそ記録したものの、打率は.244と低かった。オフに自由契約となった。

パイレーツ時代

2002年オフにピッツバーグ・パイレーツと契約を結んだ。

2003年は、128試合に一塁手と外野手で出場した。打率は、自己ベストの.292を記録し、本塁打は20本放った。オフに自由契約となった。

ロイヤルズ時代

2003年オフに3年契約でカンザスシティ・ロイヤルズと契約を結んだ。

2005年6月2日のニューヨーク・ヤンキース戦の6回、左翼へ本塁打を放ち、コロラド・ロッキーズなどで活躍したラリー・ウォーカーに続き、カナダ人メジャーリーガー史上2人目となる通算200本塁打を達成した。

2006年は開幕前の3月に開催された第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のカナダ代表に選出された。

レンジャーズ時代

2006年7月31日にテキサス・レンジャーズへトレードされた。

タイガース時代

2006年9月15日にウェイバー公示を経てデトロイト・タイガースへ移籍した。

ブルージェイズ時代

2006年12月7日にトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結んだ。

2007年は、第4の外野手として期待されたが、ライル・オーバーベイリード・ジョンソン故障者リスト入りなどで一塁手としての出場が多かった。オフの11月2日に、ブルージェイズと2年契約を結び、契約を延長した。

2008年は開幕時には、左翼手シャノン・スチュワートとのプラトーンで起用された。その後フランク・トーマスが解雇され、ステアーズが指名打者を専任するようになった。8月28日にDFAとなった。

フィリーズ時代

2008年8月30日にトレードで、フィラデルフィア・フィリーズに移籍した。

ロサンゼルス・ドジャースとのリーグチャンピオンシップシリーズ第4戦ではジョナサン・ブロクストンから代打2点本塁打を放ち、注目を浴びた。

2009年は開幕前の3月に開催された第2回WBCカナダ代表に選出された。

パドレス時代

2010年1月23日にサンディエゴ・パドレスとマイナー契約を結んだ。8月21日のブルワーズ戦で通算21本目の代打本塁打を放ち、クリフ・ジョンソンの保持していたメジャー記録を更新。最終的に23本に伸ばした。

ナショナルズ時代

2010年12月14日にワシントン・ナショナルズとマイナー契約を結んだ。

2011年は開幕メジャー入りしたが、8月1日に解雇。3日に現役引退を表明した。最後の安打はやはり代打で登場した7月15日の試合で、代打で通算105本目(歴代16位)であった。メジャーでの通算12球団在籍[3]は当時史上1位(2012年オクタビオ・ドーテルが13で更新)。

引退後

2014年ジェイミー・モイヤーと共にフィリーズの球団専属解説者に就任した[4]

2015年2月4日にコーリー・コスキーカルロス・デルガドフェリペ・アルーボブ・エリオット英語版と共にカナダ野球殿堂に選出された[5]

2016年11月2日にフィリーズの打撃コーチ就任が発表され[6]、1年間務めた。

2017年10月30日にパドレスの打撃コーチ就任が発表され[7]、1年間務めた。

人物

カナダ出身で、カナダのオンタリオ州トロントを本拠地とするトロント・ブルージェイズ、同じくカナダのケベック州モントリオールを本拠地としていたモントリオール・エクスポズ(現・アメリカ合衆国ワシントンD.C.を本拠地とするワシントン・ナショナルズ)の両球団に在籍経験のある人物の一人。他にはショーン・ヒルロブ・デューシーデニス・ブーシェが該当する。

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
1992 MON 13 38 30 2 5 2 0 0 7 5 0 0 0 1 7 0 0 7 0 .167 .316 .233 .549
1993 6 8 8 1 3 1 0 0 4 2 0 0 0 0 0 0 0 1 1 .375 .375 .500 .875
中日 60 142 132 10 33 6 0 6 57 23 1 2 0 2 7 0 1 34 4 .250 .289 .432 .721
1995 BOS 39 95 88 8 23 7 1 1 35 17 0 1 1 1 4 0 1 14 4 .261 .298 .398 .696
1996 OAK 61 158 137 21 38 5 1 10 75 23 1 1 0 1 19 2 1 23 2 .277 .367 .547 .914
1997 133 410 352 62 105 19 0 27 205 73 3 2 1 4 50 1 3 60 6 .298 .386 .582 .968
1998 149 593 523 88 154 33 1 26 267 106 8 3 1 4 59 4 6 93 13 .294 .370 .511 .881
1999 146 623 531 94 137 26 3 38 283 102 2 7 0 1 89 6 2 124 8 .258 .366 .533 .899
2000 143 562 476 74 108 26 0 21 197 81 5 2 1 6 78 4 1 122 7 .227 .333 .414 .747
2001 CHC 128 403 340 48 85 21 0 17 157 61 2 3 1 3 52 7 7 76 4 .250 .358 .462 .820
2002 MIL 107 315 270 41 66 15 0 16 129 41 2 0 0 1 36 4 8 50 7 .244 .349 .478 .827
2003 PIT 121 357 305 49 89 20 1 20 171 57 0 1 0 2 45 3 5 64 7 .292 .389 .561 .950
2004 KC 126 496 439 48 117 21 3 18 198 66 1 0 0 3 49 2 5 92 15 .267 .345 .451 .796
2005 127 466 396 55 109 26 1 13 176 66 1 2 0 5 60 4 5 69 9 .275 .373 .444 .817
2006 77 261 226 31 59 14 0 8 97 32 0 0 0 2 31 2 2 52 5 .261 .352 .429 .781
TEX 26 88 81 6 17 4 0 3 30 11 0 0 0 0 6 1 1 22 1 .210 .273 .370 .643
DET 14 44 41 5 10 3 0 2 19 8 0 0 0 0 3 0 0 12 1 .244 .295 .463 .758
'06計 117 393 348 42 86 21 0 13 146 51 0 0 0 2 40 3 3 86 7 .247 .328 .420 .748
2007 TOR 125 405 357 58 103 28 1 21 196 64 2 1 0 2 44 5 2 66 7 .289 .368 .549 .917
2008 105 368 320 42 80 11 1 11 126 44 1 1 0 2 41 9 5 87 10 .250 .342 .394 .736
PHI 16 19 17 4 5 1 0 2 12 5 0 0 0 1 1 0 0 3 0 .294 .316 .706 1.022
'08計 121 387 337 46 85 12 1 13 138 49 1 1 0 3 42 9 5 90 10 .252 .341 .409 .750
2009 99 129 103 15 20 4 0 5 39 17 0 0 0 0 23 3 3 30 0 .194 .357 .379 .736
2010 SD 78 111 99 14 23 6 0 6 47 16 2 0 0 1 11 2 0 32 1 .232 .306 .475 .781
2011 WSH 56 74 65 4 10 1 0 0 11 2 0 0 0 0 9 0 0 23 1 .154 .257 .169 .426
MLB:19年 1895 6023 5204 770 1366 294 13 265 2481 899 30 24 5 40 717 59 57 1122 109 .262 .356 .477 .833
NPB:1年 60 142 132 10 33 6 0 6 57 23 1 2 0 2 7 0 1 34 4 .250 .289 .432 .721

記録

NPB
  • 初出場・初先発出場:1993年6月15日、対横浜ベイスターズ10回戦(横浜スタジアム)、5番・左翼手として先発出場
  • 初安打:1993年6月16日、対横浜ベイスターズ11回戦(横浜スタジアム)、2回表に斎藤隆から
  • 初盗塁:同上、2回表に二盗(投手:斎藤隆、捕手:谷繁元信
  • 初打点:1993年6月25日、対横浜ベイスターズ13回戦(ナゴヤ球場)、2回裏に斎藤隆から
  • 初本塁打:1993年6月27日、対横浜ベイスターズ15回戦(ナゴヤ球場)、8回裏に永野吉成からソロ

背番号

  • 3(1992年)
  • 25(1993年 - 同年途中、2006年途中 - 同年終了)
  • 7(1993年途中 - 同年終了)
  • 35(1995年)
  • 12(1996年 - 2000年、2002年 - 2006年途中、2008年途中 - 2009年、2011年途中 - 同年終了)
  • 30(2001年)
  • 24(2007年 - 2008年途中、2011年 - 同年途中)
  • 16(2010年)
  • 40(2017年)
  • 47(2018年)

代表歴

脚注

  1. ^ https://www.baseball-reference.com/players/s/stairma01.shtml#all_standard_fielding
  2. ^ https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=stairs001mat#all_standard_fielding
  3. ^ 一部の日本のメディアでは13球団と報道されたが、エクスポズとナショナルズが同一球団であるため12である。
  4. ^ モイヤー氏&ステアーズ氏 フィリーズ戦の解説者に”. スポーツニッポン (2014年2月12日). 2015年2月6日閲覧。
  5. ^ Alou, Delgado, Elliott, Koskie, Stairs to enter Canadian Baseball Hall of Fame in 2015 The official site of Baseball Canada (2015年2月4日) 2015年2月19日閲覧
  6. ^ Breen, Matt (2016年11月2日). “Matt Stairs named Phillies hitting coach”. philly.com. 2016年11月25日閲覧。
  7. ^ Cassavell, AJ (2017年10月30日). “Padres hire Stairs as hitting coach”. MLB.com. 2017年11月3日閲覧。

関連項目

外部リンク





固有名詞の分類

中日ドラゴンズ及びその前身球団の選手 丸山二三雄  橋本勝隆  マット・ステアーズ  板東英二  山本保司
ボストン・レッドソックスの選手 ラリー・パリッシュ  テッド・ウィリアムズ  マット・ステアーズ  ハビアー・ロペス  ロブ・ディアー
シカゴ・カブスの選手 ランドール・サイモン  フアン・クルーズ  マット・ステアーズ  柳済國  ロン・デービス
オークランド・アスレチックスの選手 ジム・タイロン  フアン・クルーズ  マット・ステアーズ  ダリック・バートン  ジム・ペリー
サンディエゴ・パドレスの選手 ジェラルド・クラーク  ケン・カミニティ  マット・ステアーズ  ロブ・ディアー  グレッグ・ハリス
フィラデルフィア・フィリーズの選手 ドン・マネー  ランドール・サイモン  マット・ステアーズ  レニー・ダイクストラ  グレッグ・ハリス
ピッツバーグ・パイレーツの選手 クレイグ・モンロー  ランドール・サイモン  マット・ステアーズ  ハビアー・ロペス  マット・キャップス
テキサス・レンジャーズ及びその前身球団の選手 クレイグ・モンロー  ラリー・パリッシュ  マット・ステアーズ  リッチー・シェーン  グレッグ・ハリス
デトロイト・タイガースの選手 クレイグ・モンロー  ランドール・サイモン  マット・ステアーズ  ロブ・ディアー  ジム・ペリー
トロント・ブルージェイズの選手 スコット・リッチモンド  ビリー・コッチ  マット・ステアーズ  ジョン・ハッティグ  スティーブ・トラクセル
ワシントン・ナショナルズ及びモントリオール・エクスポズの選手 ダレル・ラズナー  ラリー・パリッシュ  マット・ステアーズ  ジョナサン・ハースト  マット・キャップス
カンザスシティ・ロイヤルズの選手 ブライアン・シャウス  フアン・クルーズ  マット・ステアーズ  リッチー・シェーン  マイク・ジェイコブス
ミルウォーキー・ブルワーズの選手 ベン・グリーブ  ドン・マネー  マット・ステアーズ  ロブ・ディアー  クリス・カプアーノ
カナダの野球選手 アダム・スターン  スコット・リッチモンド  マット・ステアーズ  ジョージ・コッタラス  ポップ・スミス

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