エリック・ベダードとは? わかりやすく解説

エリック・ベダード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/25 01:20 UTC 版)

エリック・ベダード
Érik Bédard
タンパベイ・レイズ時代
(2014年2月15日)
基本情報
国籍 カナダ
出身地 オンタリオ州ナヴァン
生年月日 (1979-03-06) 1979年3月6日(43歳)
身長
体重
6' 1" =約185.4 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 1999年 ドラフト6巡目でボルチモア・オリオールズから指名
初出場 2002年4月17日 ニューヨーク・ヤンキース
最終出場 2014年7月12日 トロント・ブルージェイズ
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム カナダ
WBC 2006年

エリック・ジョゼフ・ベダードÉrik Joseph Bédard , 1979年3月5日[1] - )は、カナダ連邦オンタリオ州ナヴァン出身の元プロ野球選手投手)。左投左打。

略歴

オリオールズ時代

ボルチモア・オリオールズ時代
(2006年9月13日)

1999年にドラフト6巡目でボルチモア・オリオールズから指名を受け、プロ入り。

2002年4月17日にメジャーデビューを果たしたが、2試合に登板して防御率13.50と結果が出せずマイナー落ちした。同年オフに肘の手術を受けている。

2003年は1年間、手術の影響もあってメジャーに昇格することはなかった。

2004年にメジャーに再昇格すると、27試合のうち26試合に先発投手として登板した。防御率4.59、6勝10敗と負け越したが、121奪三振は新人資格を持つ選手の中でリーグ1位だった[2]。その後、ローテーションを守り続け、2006年に自己最多の15勝を記録した。また、防御率2.58はメジャー全体でロジャー・クレメンスの2.30に次いで2位であった[3]

2007年7月2日レンジャーズ戦で先発投手として通算102試合の登板で初完投を記録した。同年9月9日に故障者リスト入りしてシーズンを終えたが、マイク・ムッシーナ1997年に記録した218奪三振を上回る221奪三振を記録して、球団シーズン記録(1954年以降)を更新した。また、奪三振率10.93も球団新記録となった[4]。同年オフに2009年一杯でFAになるベダードとの契約延長交渉をしたが、ベダードが拒否。球団はトレードを模索した。

マリナーズ時代

2008年2月8日アダム・ジョーンズジョージ・シェリルクリス・ティルマン、トニー・バトラー、キャム・ミコライオの計5選手との交換トレードでシアトル・マリナーズへ移籍した[5]

2008年シーズンは腰などの故障に苦しみ、6勝にとどまった。

2009年にはシーズン途中で肩を痛めて手術に踏み切った。シーズン終了後の11月6日にFAとなったが、150万ドル(別途インセンティブで最大600万ドル)+翌年の相互オプションでマリナーズとの単年契約がまとまった。その会見の中で「シアトルではスターバックスに行っても誰一人として自分に気づく人間がいない。たったの一人もだ! なんてすばらしいことだろう」とシアトルの環境が自分に合っていることを語った[6]

2010年開幕は故障者リストに掲示されたまま迎え、5月に復帰が近いとも言われたが結局そのままシーズンを終えた。

2011年には開幕ローテーションに名を連ね、4月27日に2009年以来となる勝利を挙げた。

レッドソックス時代

ボストン・レッドソックス時代
(2011年9月26日)

2011年7月31日、三角トレードでボストン・レッドソックスへ移籍した[7]10月30日にFAとなった。

パイレーツ時代

ピッツバーグ・パイレーツ時代
(2012年6月14日)

2011年12月7日にピッツバーグ・パイレーツと契約。2012年のチーム開幕投手を務めた[8]が、8月28日に解雇された[9]

アストロズ時代

ヒューストン・アストロズでの現役時代
(2013年7月31日)

2013年1月21日に、ヒューストン・アストロズとマイナー契約を結んだ[10]。開幕は、メジャーで迎えた。開幕戦に中継ぎで登板しキャリアで初めてセーブを記録した[11]

7月20日のシアトル・マリナーズ戦では6回1/3投げて無安打10奪三振を記録したものの自責点3で敗戦投手となっている。

10月31日にFAとなった。

レイズ時代

2014年2月14日にタンパベイ・レイズとマイナー契約を結んだ[12]が、3月25日に放出された。3月28日にレイズと契約内容を変更し、マイナー契約で再契約した[13]。4月13日にメジャー契約を結んだ[14]。昇格後は17試合に登板したが、4勝6敗、防御率4.76と結果を残せず、7月28日にDFAとなった[15]。8月3日に放出された。

引退

2015年1月19日にロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約を結んだ[16]。6月11日に現役引退を表明した。

選手としての特徴

投球スタイルは93mph(約150km/h)近いツーシームと変化量の大きいカーブを武器を武器とする左の本格派。

2004年のシーズン中盤以降、ピッチングが良くなった理由をレオ・マゾーニー投手コーチは「緩急のつけ方がこれまでとは違うレベルになったのと、シーズン中盤から一球一球にガッツを込めて投げるようになったことが大きい」と評価している[17]。 また、左打者に対しては被打率が.200で被本塁打が1であった一方、右打者被打率は.272で被本塁打が15だった[18]。好投しているときは、右打者のカッターがひざ元に決まって効果を上げるが、それが決まらないと甘く入った速球やカーブを痛打された[17]

2007年は投球をシンプルにし、大半はムーヴィング・ファストボールとカーブのみで、チェンジアップは時々交える程度になった[19]。緩急をつけ両サイドに投げ分け、右打者の被安打率は.208で左打者よりも低くなった[20]。また、この年は球団シーズン記録の221奪三振を記録しているが、これだけの三振を奪えるのはカーブの制球が抜群にいいからである[19]

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2002 BAL 2 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 4 0.2 2 0 0 0 0 1 0 0 1 1 13.50 3.00
2004 27 26 0 0 0 6 10 0 0 .375 633 137.1 149 13 71 1 7 121 7 2 83 70 4.59 1.60
2005 24 24 0 0 0 6 8 0 0 .429 606 141.2 139 10 57 1 5 125 4 1 66 63 4.00 1.38
2006 33 33 0 0 0 15 11 0 0 .577 844 196.1 196 16 69 0 5 171 6 0 92 82 3.76 1.35
2007 28 28 1 1 1 13 5 0 0 .722 733 182.0 141 19 57 0 5 221 3 0 66 64 3.16 1.09
2008 SEA 15 15 0 0 0 6 4 0 0 .600 347 81.0 70 9 37 0 4 72 3 0 38 33 3.67 1.32
2009 15 15 0 0 0 5 3 0 0 .625 348 83.0 65 8 34 0 4 90 2 0 29 26 2.82 1.19
2011 16 16 0 0 0 4 7 0 0 .364 373 91.1 77 11 30 0 1 87 5 0 41 35 3.45 1.17
BOS 8 8 0 0 0 1 2 0 0 .333 168 38.0 41 3 18 0 0 38 0 0 22 17 4.03 1.55
'11計 24 24 0 0 0 5 9 0 0 .357 541 129.1 118 14 48 0 1 125 5 0 63 52 3.62 1.28
2012 PIT 24 24 0 0 0 7 14 0 0 .333 557 125.2 129 14 56 2 3 118 1 1 76 70 5.01 1.42
2013 HOU 32 26 0 0 0 4 12 1 0 .250 663 151.0 149 18 75 0 6 138 1 0 83 77 4.59 1.48
2014 TB 17 15 0 0 0 4 6 0 0 .400 342 75.2 84 10 29 0 2 64 3 0 46 40 4.76 1.49
MLB:11年 241 230 1 1 1 71 82 1 0 .464 5618 1303.2 1242 131 533 4 42 1246 35 4 643 578 3.99 1.36

記録

MiLB

代表歴

脚注

  1. ^ https://www.mlb.com/player/erik-bedard-407853
  2. ^ Erik Bedard 2004 Career Highlights” (英語). 2008年6月14日閲覧。
  3. ^ Erik Bedard 2006 Career Highlights” (英語). 2008年6月14日閲覧。
  4. ^ Erik Bedard 2007 Career Highlights” (英語). 2008年6月14日閲覧。
  5. ^ Orioles trade Bedard to Mariners for five prospects (AP通信) 2月9日閲覧
  6. ^ http://www.thenewstribune.com/sports/story/1060444.html
  7. ^ http://boston.redsox.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20110731&content_id=22559672&vkey=news_bos&c_id=bos
  8. ^ Pirates choose Erik Bedard as Opening Day starter(英語)2012年10月2日閲覧
  9. ^ Pirates release veteran lefty Bedard(英語)2012年10月2日閲覧
  10. ^ Astros ink left-hander Bedard to Minors deal
  11. ^ Rangers' new AL West rival delivers opening blow
  12. ^ Rays sign veteran starter Bedard to Minors deal
  13. ^ Aaron Gleeman (2014年3月28日). “Erik Bedard changes his mind about Triple-A, re-signs with the Rays”. NBC Sports. 2014年3月29日閲覧。
  14. ^ Bill Chastain (2014年4月12日). “Bedard to fill long-reliever role after callup”. MLB.com. 2014年4月13日閲覧。
  15. ^ Bill Chastain (2014年7月28日). “Bedard designated; Peralta back from DL”. MLB.com. 2014年7月29日閲覧。
  16. ^ Dodgers ink Bedard to Minor League contract MLB.com (2015年1月19日) 2015年1月27日閲覧
  17. ^ a b 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2007』廣済堂出版、2007年、84頁頁。ISBN 978-4-331-51213-5 
  18. ^ Erik Bedard 2006 Pitching Splits - Baseball-Reference PI” (英語). 2008年6月14日閲覧。
  19. ^ a b 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2008』廣済堂出版、2008年、86頁頁。ISBN 978-4-331-51300-2 
  20. ^ Erik Bedard 2007 Pitching Splits - Baseball-Reference PI” (英語). 2008年6月14日閲覧。

関連項目

外部リンク


エリック・ベダード

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トルネード投法」の記事における「エリック・ベダード」の解説

上体を捻るトルネード気味の投球フォーム投げる。

※この「エリック・ベダード」の解説は、「トルネード投法」の解説の一部です。
「エリック・ベダード」を含む「トルネード投法」の記事については、「トルネード投法」の概要を参照ください。

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