ホンダ・ターボチャージャー・インディV8エンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/13 00:07 UTC 版)
ホンダ・ターボチャージャー・インディV8エンジン | |
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概要 | |
製造会社 | ホンダ・ジャッド(前期のみ) |
生産 | 1985年-1987年、1994年-2002年 |
レイアウト | |
構成 | 90° V8 |
排気量 | 2.65 L (162 cu in) |
シリンダー内径 | 92 mm (3.6 in) |
ピストン行程 | 49.7 mm (2 in) |
動弁装置 | 32バルブ, DOHC, 1気筒あたり4バルブ |
燃焼 | |
ターボチャージャー | ホンダ |
燃料系統 | 機械式マルチポイントインジェクション燃料噴射装置 |
燃料種別 | ガソリン |
オイル系統 | ドライサンプ |
出力 | |
出力 | 740–850 hp (552–634 kW) |
トルク | 338–354 lb⋅ft (458–480 N⋅m) |
時系列 | |
後継 | ホンダ・インディV8エンジン |
ホンダ・ターボチャージャー・インディV8エンジン(Honda turbocharged Indy V8)は、1986年・1987年及び1994年から2002年までCARTに参戦するために、ホンダが設計・開発・製造したシングルターボ付き2.65 L V型8気筒のインディカー・レースエンジンである[1][2][3][4][5][6]。
背景
ブラバム・ホンダ
ジャック・ブラバムとホンダとの長年にわたる関係の結果、ジャッドはロン・トーラナック率いるラルトチームと協力して、ホンダのF2復帰用のエンジン(ホンダ・RA260E)を開発するために雇われた。
1984年シーズン末にF2が消滅した後も、ジャッドはホンダ向けに新エンジンの開発を続けた。最初は、ホンダのCART参戦用に作られたターボチャージャー付きV8エンジンのジャッド・AVで、1986年半ばにギャレス・レーシングと同チームのドライバーのジェフ・ブラバムによってCARTで初めて使用された。当初はブラバム・ホンダのバッジが付けられ、第10戦ミシガンでで4位入賞を果たした。1987年、このエンジンはインディアナポリス500で初めて使用されると、ポコノとロード・アメリカで2位、シーズン最終戦マイアミで3位に入った。
このエンジンは、その信頼性と優れた燃費(特に500マイルレースにおいて)で知られるようになったが、当時の最高峰エンジンであるイルモア・シボレーと比べると、パワー面では明らかに劣っていた。
1988年、ボビー・レイホールを擁するトゥルースポーツが主要チームとして引き継ぎ、シーズン中にエンジンから「ホンダ」の名称が削除された。
本エンジンは後に自然吸気化され、F3000参戦用のエンジン(ジャッド・BV→ホンダ・RA386E→無限・MF308)のベースとなった。
HPD
1992年限りでホンダ(ホンダF1)がフォーミュラ1(F1)から撤退するのと入れ替わるように、ホンダは1994年よりCARTへのワークスエンジン供給を開始。エンジンの開発・製造拠点としてホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD、現在のホンダ・レーシング USA)が設立され、日本からも田辺豊治らのエンジニアがHPDに派遣され開発に関わった。HPDがインディカー・シリーズ(IRL)に供給先を変更することに伴い、2002年限りでCARTへの供給は終了した。
搭載車
ブラバム・ホンダ時代
HPD時代
- ローラ・T94/00[8]
- レイナード・95I[9][10]
- レイナード・96I
- ローラ・T96/00
- レイナード・97I
- ローラ・T97/00
- レイナード・98I
- レイナード・99I[11]
- レイナード・2KI
- レイナード・01I
- レイナード・02I
- ローラ・B02/00[12][13]
脚注
- ^ “Entry to Champ Car Racing / 1994”. Honda. 2021年10月17日閲覧。
- ^ Rettie, John (May 1987). “Indy Engine Spotter's Guide”. Popular Mechanics. p. 77. 2021年10月16日閲覧.
- ^ Potter, Steve (May 1986). “Motorsports”. Popular Mechanics. p. 50. 2021年10月17日閲覧.
- ^ “Popular Mechanics”. Hearst Magazines (1993年4月). 2025年4月26日閲覧。
- ^ “Popular Mechanics”. Hearst Magazines (1993年6月). 2025年4月26日閲覧。
- ^ “Popular Mechanics”. Hearst Magazines (1998年6月). 2025年4月26日閲覧。
- ^ “Lola Heritage”. www.lolaheritage.co.uk. 2025年4月26日閲覧。
- ^ “Honda Global | Entry to Champ Car Racing / 1994”. global.honda. 2025年4月26日閲覧。
- ^ “Honda Championship Auto Racing Highlights”. Honda Newsroom (2002年4月1日). 2025年4月26日閲覧。
- ^ “Brix/Comptech Indy Car - Rocket Sled on Wheels - Race Car - Motor Trend Magazine”. MotorTrend (1996年4月1日). 2025年4月26日閲覧。
- ^ “Reynard 99I-Honda”. speedfreaks.org. 2023年6月9日閲覧。
- ^ “Team Motorola - 2002”. Honda Newsroom (2002年4月3日). 2025年4月26日閲覧。
- ^ “Mo Nunn Racing - 2002”. Honda Newsroom (2002年4月3日). 2025年4月26日閲覧。
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