ホンダ・インディV8エンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/16 05:30 UTC 版)
ホンダ・インディV8[1][2] | |
---|---|
![]()
ホンダ・インディ HI7R V8(2007年仕様)
|
|
概要 | |
製造会社 | HPD |
生産 | 2003年-2011年 |
レイアウト | |
構成 | V8 自然吸気, 90° |
排気量 | 3.5 L (214 cu in) (2003年, 2007年-2011年) 3.0 L (183 cu in) (2004年-2006年) |
シリンダー内径 | 93 mm (3.66 in) |
ピストン行程 | 64.4 mm (2.54 in) 55.2 mm (2.17 in) |
ブロック素材 | アルミニウム合金 |
シリンダーヘッド素材 | アルミニウム合金 |
動弁装置 | 32バルブ, DOHC |
燃焼 | |
燃料系統 | 電子間接マルチポイントポート燃料噴射 |
制御 | モトローラ (2003年-2010年) マクラーレン (2011年) |
燃料種別 | 100%エタノール (スノコ) |
オイル系統 | ドライサンプ |
冷却系統 | シングルウォーターポンプ |
出力 | |
出力 | 670 hp (500 kW) (2003年-2006年) 650 hp (485 kW) (2007年-2009年途中) 650 + 20 hp (485 + 15 kW) プッシュ・トゥ・パス付き (2009年途中-2009年末) 650 + 40 hp (485 + 30 kW) プッシュ・トゥ・パス付き (2010年-2011年) |
トルク | 約434–488 N⋅m (320–360 ft⋅lbf) @ 10,300 rpm[3] |
寸法 | |
乾燥重量 | 280 lb (127 kg) (ヘッド、クラッチ、ECU、スパークボックス、フィルターを除く) |
時系列 | |
前身 | ホンダ・ターボ・インディV8 |
後継 | ホンダ・インディV6 |
ホンダ・インディV8(Honda Indy V8)は、ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメントがイルモアと提携してインディカー・シリーズ向けに開発・製造したレシプロエンジンである[4]。
概要
2002年のデトロイト・オートショーで発表され、2003年から2011年までインディカー・シリーズで使用し、翌年にはホンダ・インディV6に置き換えられた。エンジンはカリフォルニア州サンタクラリタのHPD動力組立工場とミシガン州プリマスのイルモアで組み立てられた。
第1世代(2003年 - 2004年)
ホンダは、 CARTでの成功を経て、2003年にエンジンサプライヤーとしてインディカー・シリーズにデビュー。ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(HPD)がイルモアの技術支援を受けて開発し、HI3Rと名付けたエンジンの排気量は3.5 Lで、アンドレッティ・グリーン・レーシング、チーム・レイホール、フェルナンデス・レーシング、アクセス・モータースポーツに供給し、ポールポジション3回、ファステストラップ6回、優勝2回という成績だった。2004年には新しいレギュレーションが2004年のインディ500で施行されるまで、HI4Rと名付けた改良型が使用された[5]。
第2世代(2004年 - 2006年)
2004年のIRLのルール変更で排気量削減が必要になったことに対応するため、新エンジンを設計し、イルモアによって再び開発され、HI4R-Aと名付け[6]、排気量は3.0 Lで、2004年のインディ500でデビューした[7]。その後、正常進化版のHI5RとHI6Rが登場し、3年間でポールポジション33回、ファステストラップ35回、インディ500での3勝を含む優勝41回を記録。2005年シーズン終了後にシボレーとトヨタがインディカーから撤退した為、2006年から2011年まで独占供給した。
本エンジンは後にホンダ・イルモア・M-TECの3社によりカスタマイズを受け、2006年から2008年にかけてホンダ・HF386Eとしてフォーミュラ・ニッポンにも供給された[8]。
第3世代(2007年 - 2011年)
HI7R-HI11Rは、HI6Rの後継として設計された。排気量は2007年より3.5 Lに戻した[9]。2008年ニコンインディ300とインディ500を含むポールポジション・ファステストラップ・優勝86回と成績を残し、2008年から始まったインディカー・シリーズのシャシーおよびエンジン開発の凍結により、2011年まで使用された。燃焼機関は、4ストロークピストンのオットーサイクルだったという。
栄誉
2012年2月10日、レースエンジンマガジン誌による「北米レースエンジン・オブ・ザ・イヤー」を受賞した[10]。
脚注
- ^ “Honda Engine Program :: IndyCar® Series” (2007年11月3日). 2007年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月13日閲覧。
- ^ “Honda Engine Program :: IndyCar® Series” (2006年4月26日). 2006年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年5月13日閲覧。
- ^ “Spicer Horsepower and Torque Calculator”. 2021年11月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月31日閲覧。
- ^ “Honda Newsroom”. 2025年5月13日閲覧。
- ^ “Indy: Honda's 2004 Engine”. HondaBeat.com (2004年9月10日). 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月18日閲覧。
- ^ “2004 Indy 500: BorgWarner Louis Schwitzer Award Presented to Honda”. The Auto Channel (2004年5月21日). 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月18日閲覧。
- ^ “Honda Unveils Stout Lineup to Defend IRL Titles”. Honda Motor Co. (2005年1月19日). 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月18日閲覧。
- ^ 中嶋企画レースリポートFN第1戦
- ^ “IRL to revert to 3.5-litre engines”. Autosport (Autosport.com). (2006年8月31日). オリジナルの2014年4月24日時点におけるアーカイブ。 2006年8月31日閲覧。
- ^ “Honda Indy V8 Honored by Race Engine Magazine”. Honda Motor Company. (2012年2月10日). オリジナルの2013年3月8日時点におけるアーカイブ。 2012年2月10日閲覧。
外部リンク
- ホンダ・インディV8エンジンのページへのリンク