プレート構造による例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 13:58 UTC 版)
プレートは固い岩盤であるが、プレート境界には滑り面や破砕帯などの軟弱な地盤構造が存在する。このため地震波がプレート境界を越えるときに減衰が大きく、逆に同じプレート内では地震の減衰が小さくなる。 東北・北海道沖の太平洋を震央とする地震 東北・北海道沖の太平洋プレートを震央とする地震(例えば北海道東方沖地震など)では、強い地震波が太平洋プレートを伝搬し、また海溝面で太平洋プレートに接触する北アメリカプレートにも伝播する。これにより、震源距離が近い北海道オホーツク海側や日本海側より、北海道・東北・関東など太平洋側で強い揺れが観測される。 日本海側で発生する太平洋プレート内地震 2002年6月29日にロシア沿海州沿岸のウラジオストク付近で発生した深さ590km、マグニチュード7.2の地震では、西南日本に比べて東北日本で、また日本海側に比べて太平洋側で大きな揺れが観測された。 この付近では1997年以降マグニチュード6を超える地震が2013年までに6回発生しているが、いずれもこの付近にまで沈みこんでいる太平洋プレート内で発生した地震と見られ、太平洋プレートに沿って地震波があまり減衰せずに伝わり異常震域が現れている。 南海トラフの巨大地震 安政東海地震でも宝永地震と同様に、甲府盆地、信濃で震度が高くなる異常震域すなわち「地震みち」が見られた。昭和東南海地震でも同様に信濃の地震動は強かった。糸魚川静岡構造線は、北アメリカプレートとユーラシアプレートとの新生境界とされ、これに沿った強震域は、プレートが弾性反発する際に一連のプレート境界の別の部分でも広範囲に急激な相対運動が生じる結果として説明されている。
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