プラネタリウム・全天周映像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 21:12 UTC 版)
「エバンス・アンド・サザランド」の記事における「プラネタリウム・全天周映像」の解説
1983年にE&Sは、従来のプラネタリウムとは全く異なるデジタル式プラネタリウム「デジスター」を開発した。初代のデジスターは、DECのミニコンピュータVAX-11をホストコンピュータとして、軍用の高輝度・高解像度CRTに表示したCGで描く星空を、大型魚眼レンズで投影する装置だった。デジスターには星表のデータが入っており、恒星の座標や明るさだけでなく位置天文学的な情報を含んでいるので、光学式のプラネタリウムにはできない、恒星の固有運動や恒星間旅行による星の位置の変化も再現することができた。 最初は、星像の質が低かったり、星の動きが不自然だったりといった問題を抱えていたが、徐々に改良されていった。1994年にはデジスターIIが登場し、高性能化と共にホストコンピュータをワークステーションにした小型化が図られた。その後もデジスターシリーズは更新を重ね、2020年時点ではデジスター7まで発展し、世界中で300機以上が導入されている。 2019年には、E&Sは全天周映像装置の新しい形式を提示した。その“DomeX”は、ドーム型スクリーンに投影機で映像を映し出す替わりに、ドーム型に敷き詰めた発光ダイオードで直接映像を表示するシステムである。この装置の利点としてE&Sは、黒色がスクリーンの場合より暗くなり高いコントラストが得られること、投影機と違って複雑な調整が不要なことなどを謳っている。
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